社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

黒牢城

社員証を職場に置いて帰宅してしまったらしい。
どうしよう。

「黒牢城」(米澤穂信/角川文庫)読んだ。

謀反を興した荒木村重を説得しに来た黒田(小寺)官兵衛を殺すでも帰すでもなく地下牢に幽閉。
毛利の援軍を待つ間、村重が治める有岡城では人が殺されたり、敵の将の首を取ったのが誰か解らなかったり、使いに託した壺が消えたり(そして使いが殺されたり)・・・等、難しい謎が。
官兵衛に謎を問う。
そして季節が巡る中、戦局が徐徐に厳しくなっていく。
裏切者も居そう。
村重どうなっちゃうの!?
・・・というのは「有岡城の戦い」について調べたら解っちゃうけど。
全体的に重たい 。
読んでいて息が詰まりそうな位、気が抜けない。
ごりごりの歴史小説である。光舟が好きそう。
ただ、もすこしミステリー寄りなのを期待してたわ・・・

と思ってからが凄まじい。泣くかと思った。
4つの難題が解決してからが本番。

其其の事件の裏にある全ての真実、そして村重の性格・考えを見抜きつつ巡らされる官兵衛の計とは。
戦国武将のプライドは見栄でもあり、其れが無用な死を生む、又は自分自身をがんじがらめにする。
「死をもってすら、この苦しみが終わらぬこと」(p.462)、尚且つ其れが何時迄か解らぬまま続く事。
信仰は人を救うかもしれないが、同時に”縛り”にも成り得る。
人間って何なんだろうな。
何処迄も救われない。
物語としては、或る救いがあるが。

其れにしても、やっぱりお前もか。
「雪夜灯籠」、いや初っ端から犯人やと(何の?)思ってた奴、やっぱり裏切りよったか。

戦国時代×ミステリーでがっつりミステリーよりなのが良ければ、こちらを。
sociologicls.hatenadiary.jp

どうでもいいニュース:
伊丹の美術館行く時に有岡城跡の近くを通ってたみたい。