社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

信長島の惨劇

腹肉憎し、でムギュムギュ揉んでたら指傷めました。
恐るべし腹肉。なかなか落ちないのも道理である。

「信長島の惨劇」(田中啓文/ハヤカワ時代ミステリ文庫)読んだ。

ハヤカワ文庫新刊のとこに見当たらなくて時代小説コーナー探したら、あった。
時代物といえば時代物なのか。戦国武将出てくるし。
光舟が読んだらどう思うんだろう。
これ、佐伯泰英や上田秀人読んでる人が「たまには違う作者を」とうっかり手に取っちゃって、びつくりされない?
ミステリ方面のとこに陳列しなくて大丈夫?
柴田勝家が出てくる小説にこの帯付けられたら買うてまうやろ。
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個人的に柴田勝家(作家の方)ブーム来てるのに、買うに決まってる。

冒頭に「アガサ・クリスティーに」とあって、「捧ぐのか挑むのか?」とちょっと悩んだ。
どちらでも良い(「捧ぐ」んだろうなァ)、そういう作品である。
本能寺の変織田信長が討たれ、明智光秀も討たれた後の話。
羽柴秀吉柴田勝家高山右近徳川家康が死んだ筈の信長から手紙で三河湾にある、信長島に呼び出される。
手紙には島には必ず一人で、身の回りの品だけ持って来い、そして「余は知っておるぞ」で締められている。
4人は其其内緒事があるようだ。
島には1軒の館、待ち受けるのは森蘭丸、弥助、光秀の娘・玉、千宗易(利休さんだ)。信長は?
飾られた謎の絵、京で流行る物騒な数え唄。
連続殺人が起こらない訳が無い。
数え唄に擬えた殺人が次々と起こる。
意外と正統派のクローズド・サークルな連続殺人である。
トンチキ*1はトンチキなんですけども。
もっとトンチキな「そりゃねえわ!(褒め言葉)」な話かと思っていたもので。
いいトンチキ、其れもまた正統派な感じがする。
そして、ちゃんと歴史的に辻褄も合う。
補遺3にある千利休暗殺も、この続きだとその理由色々想像しちゃって楽しいね☆〜(ゝ。∂)
安心して人に勧められる。
トリック(?)の一部は「こんなんやったらおもろいのにー」と思ったやつだった。
デスヨネ☆〜(ゝ。∂)
ミステリあるあるの「トリック・謎解きの為なら人間どうなってもええわ」じゃないとこが良かった。

*1:どちらかというと「頓痴気」語源そのものというよりジャニーズのトンチキソング的なトンチキ