社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

老神介護

自分の中で神レベルな食パンがあって、時々仕事帰りに買う。
大抵帰宅したら荷物に押されてぐしゃあってなっていて悲しいのだが、昨日は綺麗な形のまま持って帰れた!

「老神介護」(劉慈欣、訳:大森望・古市雅子/角川文庫)読んだ。

「流浪地球」も大概スケールでかかったが
sociologicls.hatenadiary.jp
地球上の話でも相手にするのは宇宙でスケールでかでか!である。
文明のぶつかり合い。
国家を悪く扱えない(呑食者は中国じゃなくヨーロッパの首脳を食う、等)らしいけど、貧乏な村は題材にしてOKなのか。
「我が国のイメージ下げるな」って怒られなきゃよいけど。。。

・老神介護
降ってわいたような、まぁ実際降ってきた神が老後を過ごす為に地球に来た話。
各地に割り当てられた神を、人間の一般家庭で介護するのだが・・・。
神は有難いけど、いきなりやってきた神の面倒を見るったって上手くいかない。
共に過ごす時間があった肉親の介護だって大変じゃんよ。
最初は歓迎するけどだんだん苛苛する、でも出て行かれるとなると寂しくなる・・・リアルだなぁ。
訳者あとがきに依れば罵り合いはマイルドになってるらしい・・・別んとこで読んだ時はどうだったっけ。
・扶養人類
「老神介護」の少し後の時代。
神が話していた事が実際に起こってしまった。
金持ちに依頼されて暗殺を行う殺し屋の話、ちょっとハードボイルド。
殺し屋はターゲットを偵察していく中で疑問を持つ、読んでる方は「其れと兄文明はどう関係あるんだ?」と気になる。
白亜紀往事
白亜紀の終わりに出会った恐竜と蟻、其其が協力し合って文明を築いていくが・・・。
氷河期って、そゆことなのね。
・彼女の眼を連れて
”眼”とはセンサーグラス、遠方の人に代わって地球を旅して体験を共有するシステム。
2日間休暇を貰う代わりにある女性の”眼”を連れて(センサーグラスを掛けて)草原を旅して、自然を体験していくが、彼女は一体何処からセンサーグラスで体験しているのだろう?
切ない話である。
何となく察しは付いたが、其処迄過酷な中だったとは・・・。
こういう話好きだ。
作者は読者受けを分析して書いたそう(自分の書きたいSFじゃなかったそう)だが、自分が今迄読んだ劉慈欣作品で一番好きである。
・地球大砲
ブラジルのみなさーん!聞こえますかー!を実現したかのような話。
病気の為に冷凍睡眠した男が、目が覚めたら息子がどえらい事やらかしていて、酷い目に遭った人達から中国から南極へ繋がる地球トンネルに突き落とされ、降下しながら何が起こったかを知る。
(そんな精密な作業出来たんだ・・・と思ったのは絶対内緒だ)
で、地球トンネルに突き落とされて「じゅうぶんな人生を生きたな」って振り返ってお終いな訳は無かろうよ、と思ったら最後のアレは流石である。
清清しい位である。
其の後どうすんねん・・・こまけえこたぁいいんだよッ!
因みに「彼女の眼を連れて」のあの子との関連も。地中と縁のある人達なのか・・・。
「流浪地球」と「老神介護」はどちらからどう読んでも良いけど、此の2冊を1冊と考えた時に「地球大砲」がオーラスに来るように読めて良かった。

宇宙開発ドドーン!なのは中国の宇宙事業発展もあるのか。
其れだけアツい話題なのだな。