社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

すみせごの贄

今日から新年度、ほんとどうなっちゃうんでしょうなぁ。

「すみせごの贄」(澤村伊智/角川ホラー文庫)読んだ。

比嘉姉妹シリーズ短篇集。
ミステリー的である。
ミステリーの余韻にホラーがわらわらと、構築された隙間から触手みたいなん伸ばしてこっち掴んでくる。
ぼぎわんじゃないのに、「来る」。

以下、軽くネタバレあり。

・たなわれしょうき
”たなわれしょうき”という習俗を調べに行って巻き込まれる話。
「怪と幽」で読んでた。
不登校少年が学校に通えるようになって良かった・・・とはいえ最後まで気は抜けない。
再読してて、小林老人の話も絡んできてたら怖いかな、って。
・戸栗魅姫の仕事
インチキ霊能者が怪異に巻き込まれる。
成程・・・そういう”払い方”もあるし、もしかしたら其れこそが戸栗魅姫という霊能者の意義なのかもしれない。
・火曜夕方の客
間借りカレー屋にやってくる謎の客の話。怖い以上に切ない。
カレーって、或る意味完全食だもんな・・・。
おっかねえのはそっちか。
・くろがねのわざ
此れも「怪と幽」で読んでた。
すげえ技術。
ばらされたくなかったのは自分の技術なのか、女性の秘密なのか。
しかし”出る”方も大変だよなぁ、褒める人を片っ端からアレしていくの。
時間が経てば減ってくるだろうけども。。。
・とこよだけ
心霊スポット取材に野崎が連れて行かれる。
キタよ!気持ち悪いよ!
そしてやられた・・・。
最後、琴子に「ああした場所には二度と行かないように」と釘を刺されるが、何となく行く前に”呼ばれて”るんじゃないだろうか・・・と思ってしまった。
・すみせごの贄
「ずうのめ人形」で登場した辻村が助っ人で行った料理教室で起こっていた怪異とか色々。
結構此の人ええ感じに出てくるよなぁ。
読んでて「辻村ゆかりと思わせて実は比嘉琴子か」とも考えたが、果たして。
ああ澤村伊智読んでるわ感めっちゃある。

あれ?と思った箇所は”分岐”してんのかなーと思った。
全てが1つの時間の流れとして繋がるんじゃなく、敢えて乱してあって、アナザーワールド的に分岐する話もあるんかな、と。
したら「ばくうどの悪夢」のネタバレを若干・・・。
いやちょっとまって読むの怖いんですけど。