社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿

近所のコンビニ、女性セブンを週刊大衆や週刊実話等あのテの週刊誌・エ□本のとこに置いててわろた。
最早そういう扱い、と言うと週刊大衆・週刊実話に失礼かもしんない☆〜(ゝ。∂)

「アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿」(澤村伊智/双葉文庫)読んだ。

アウターQというWebマガジンの新人ライター達が巻き込まれるミステリー連作短編集。
小学生の頃にあった謎や謎の店、地下アイドルを巡る事件、過去に遭遇した花火大会の事故と怪談師・・・等等。
ミステリーと思わせてホラーなんでしょ?と思ったが、はてさて。
流石澤村さん、初っ端の話からして、えぐい。
(今の今、某J絡みの話題読んじゃってるのもあるが)
あと花火大会の事故って、ほぼ明石のあの事故ではないか。
其の事件を巡る話も含めて。
ちょっと読んでてしんどかった。
でも基本的にヘヴィではない、澤村さんにしてはお優しい。
比嘉姉妹シリーズ以外って読者に対しても容赦ないじゃん。
下手すりゃ感想述べる事自体に干渉してきはるやん、其の位の力を持った作品多いやん。
未だにデジタルサイネージ見る時怖いもん。
そういう事はあんまり無いから安心して読んでください、つうか読め。
ただWeb上に流れる情報・記事を見る目線が変わるかもしれない。
記事が書かれて読んだところでだいたいお終い、しかし書かれた対象の生活も人生も続く。
必死で「こんな事がありました」と訴えた事が誰かの人生を捻じ曲げていくかもしれない。
そしてデマじゃないと思って発言したのがデマなのだとしたら。
何処まで責任を負えるんだろうか。

そんな感じでエンタメ小説として面白く読めると同時に、現実の出来事にぶっ刺して考えさせるの、凄い。
後の時代の人は澤村伊智の作品集を分析したら平成後半~令和の時代っつうものが解って良いよ、良かったな。

どうでもいいニュース:
某作家が参考人として呼ばれて他の人の発言を嗤ってて、其れに対する言い訳(此れは此れで酷い)が批判されたら「私だって大変なんです可哀想なんです」みたいな事言い出した件があるんだけど、もし此の一連の流れをネタに澤村さんが作品書いたらどうなるんだろうな。
(そんな経緯があるんなら公的な場所で他人の発言嗤えないでしょうに。)

※2023/06/23 追記
書いたよ
https://www.honzuki.jp/book/317637/review/292571/