社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

もう一杯だけ飲んで帰ろう。

先週の土日に冷凍庫だけは掃除しておくべきだった。
(年末年始の御馳走を仕舞いながら)

「もう一杯だけ飲んで帰ろう。」(角田光代河野丈洋新潮文庫)読んだ。

角田さんのエッセイは好きだが追いきれてなかった、其れでも此の本を読んだのは元GOING UNDER GROUNDの河野さんとの共著だからである。
ゴーイングは曲知らない癖にライブ観に行こうとしてチケット取ったのに色々あって行けないまま、現在に至る。
未だ丈さんが在籍しておられた頃の話である。
あと丈さんは音人でマツのおとなりさんだったな、エッセイ好きだった。
此のエッセイが連載されている期間に脱退しはってお芝居の劇伴等の制作にシフトしていかれたみたい。
其の過程について語られているのがちょっと切なくなる、戻らない時間について触れられているようで。

御夫婦で色んなお店で飲んで其其にエッセイを書いていく。
初っ端から西荻窪の戎でテンション上がる!
一度でいいから戎で飲みたい・・・お酒駄目なんだけど。
パラダイス山元さんの蔓餃苑もある!いいな!すばらしいな!
どんなグルメガイドより飲みに/食べに行きたくなる。
「泥酔ジャーナル」も本を片手に飲みに行きたくなるが、こちらの方が素人が行きやすいお店が多いような。
(因みに「泥酔ジャーナル」の2以降は飲みに行く時に持って行っても大丈夫なようにビニールカバーが掛かっている)

「はじめに」で角田さんが「私たちはこんなに食の好みが合わないのか」と書いておられる。
角田さんはめっちゃ辛いものや濃い感じのもの、丈さんはおだしや魚のあっさりした感じのものがお好きなようである。
丈さんに辛いものを食べたい理由聞かれて「生きている実感が湧いてくるから」と仰る角田さん凄い・・・。
違う事が”普通”、取り立てて自分色に染めようとしないし相手に譲り過ぎたりしない。
「こういう人だからこうしよう、こう注文しよう」とは考えておられるけど、自分にも相手にも無理強いをしない。
そして褒めポイントが近い、何より文章のナチュラルさとさっぱりさが近い。
お二人が揃ってお出汁を絶賛なさるならば、私だってお出汁襲撃したくなる。
そうかと思ってると全然違う切り口で書かれているお店もある。
夫婦ってそういうもんなんかな、相手が自分と「違う」事を当たり前としていて、「同じ」と「違う」のバランスが良い。
仮にバランスを崩しそうになったとしても上手く戻せるのだろう。
何を大事にして生きているのか、が合うお二人なんだな。

「本が好き!」にもレビュー書いたよ→ほい