社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

超動く家にて

今週のお題「最近読んでるもの」
小説とか怪談とか。
メンタル的な体力(?)があんまり無いので、実話怪談集やSF・ミステリーの短編集が大変有難い。

「超動く家にて」(宮内悠介/創元SF文庫)読んだ。

祝・「トランジスタ技術の圧縮」ドラマ化、という事で。
世にも奇妙な物語」って、そういう話もやるんだ・・・柴田さんの「走馬灯のセトリは考えておいて」もやるらしいし。
トランジスタ技術の圧縮」ってどういう話かというと、雑誌「トランジスタ技術」を圧縮する話である。
しかも競技化してる。
圧縮するだけで、其処までドラマチックに動いていくのか、と。
「超動く家にて」は確かに超動く家だし、「文学部のこと」は文学部の話だし、「犬か猫か?」は犬か猫か議論する話である。
・・・確かにそうなんだけど、ちょっと違う。
超動く家も文学部も、言葉をじゃんじゃん越えて物語が進んで行く。
すっとこどっこい無茶苦茶である。
ようそんなん思いつくよなぁすげぇ。
なのに胸の奥がキュッとする、鼻の奥がツーンとする。
「エターナル・レガシー」「ゲーマーズ・ゴースト」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はよく其処に着地したな、キュッのツーンの先の清清しさすらある。
現実にしんどくなった時にちょこっと読むと落ち着く。
「アニマとエーファ」ではアニマという消えゆく言語で物語を書かせる命令を書き込まれたロボットが物語を生み出していくが、酉島さんの解説に「本書の収録作をアニマの書いた物語に見立てて読むこともできるだろう。」(p.349)と有って、其れもそうだな、と思った。
酉島さん解説といえば「吉幾三シャカタクマッシュアップ」って・・・あったわ。しかも複数。

因みに、「法則」の「その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。」って身も蓋も無い・・・と思ったら、其れは「ヴァン・ダインの二十則」の時点で既にそう書かれていた。
妙にしっくり来たけど、別にわざわざ本に書いてもええやんね。

さて今からもう一回表題作の「超動く家にて」読む。

どうでもいいニュース:
「クローム再襲撃」読んでてもしや・・・と思ったら「クローム襲撃」も読んだ事があった。