社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

プリティが多すぎる

ライブ直後に足が攣った。
初めてである。

「プリティが多すぎる」(大崎梢/文春文庫)読んだ。

たまには軽やかな本を。
千葉雄大ver.も可愛いんだが、元の表紙も可愛い。
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出版社に入りたくて頑張りまくって老舗出版社に入社、ずっと文芸部門を希望していたのに異動になったのは雑誌「ピピン」編集部。
「女の子はPが好き」をキャッチフレーズにした、中学生女子向けファッション雑誌。
千葉くんver.表紙がキラッキラしてるんだが、読んだ感じはもうちょっと品のある感じがする。キラキラよりフリフリ。
かくて慣れない世界で企画考えて出したり(ダメ出しどころかスルーされたり)専属モデル”ピピモ”の相手したり色々ピンチだったり。
へこたれつつも何だかんだで頑張っている。
妙に夢見て暴走したりしない。ダメなとこ指摘されたら頑張るしフォローもする。
(たまにおるやん、希望した部署じゃないから1年くらい不貞腐れたり何回言っても勝手に暴走したりする奴・・・)
そういう才能見込まれて編集部に送り込まれたんじゃ?とは思うが、本人はたまったもんじゃないよなぁ。
いずれ文芸部門に配属された時に経験が活きるだろうし。

若手編集者だけじゃなく、ピピモ達の物語でもある。
ピピモに選ばれるのがゴールではない、その先の方が長い。
モデルだから身に着ける物が活かせるコじゃなきゃいけないし、本人の頑張りと人気は関係ない。
そして人気という現実は厭でも突きつけられる。
下手すりゃ、編集者の挙動で今後の仕事が大きく変わっちゃう事もある。
彼女達だってへこたれない。
内心「女子中学生ってもっと残酷よな・・・」と思いながら読んでいたが、ピピモのコ達めっちゃまっすぐで良い子達である。
逆に裏で足引っ張ったりイケズしたり妙に大人ぶったりするようなコはピピモになれないのかもな、暗黙のうちにはじかれているとか。

そうやって「ピピン」は続いていく。ピピモも編集者も走り続ける。
ただ「可愛い!」って憧れたり真似したりするだけじゃない。
トレンドだけじゃなく新たなモノを生み出す人をも作っていくのだ。
いい仕事だよなぁ。