社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないので、はてブボタンは設置してません。

音叉

職場にいつもファンキーなマスクしてはるおっちゃんが居てはる。
こないだは骸骨マスクしてはって、おっちゃんsays「いずれこうなるから今のうちに慣れてもらお思て」。
ふくふくお元気そうだから暫く大丈夫そうであるが。
普通が嫌い!なのだそう、こういう人が“傾奇者”なんかなぁ、と。
ロックである。

「音叉」(髙見澤俊彦/文春文庫)読んだ。

音叉 (文春文庫 た 106-1)

音叉 (文春文庫 た 106-1)

1970年代のデビュー目前の学生バンドがレコード会社のディレクターにああしろこうしろ言われて怒ったり悩んだりバンドメンバー間でも色々あったり素敵な女性が次々現れたりという青春バンド小説。
饒舌な小説である。
具体的で細かい、ボリューミーだけどしつこくない。想像の余地もある。
主人公の雅彦はデビューするんだろうな、しかしどうデビューするのか?彼女達の中から誰を選ぶのか?選ばないのか?
ドキドキしながら読んだ。
少少無理があるとこはフィクションだからまあいいやって感じ。
そして心情を表現するのに「いきなり頭の中でB弦の十八フレットを、思いきりチョーキングする音が響いた。」(P.33)「Bフラットディミニッシュの分散音が、不安げに頭の中で鳴り出す」(P.249)ってギタリストならでは。凄そうなのが激しくよく解る。
(ギター全然解りません、コードってメジャー、マイナー以外にあるんですか状態で読んだらどうなるんだろうな、とは少し思った。)
兎に角人間ドラマも恋愛ドラマも社会ドラマも盛り込めるだけ全部盛り込んであるけどぶつからずにハーモニーを奏でている。
いや、次次に現れては消える、フーガかカノンのように。
「音叉」って何故?と思ったら、はじまり、さきがけ、共鳴の象徴なんだな、きっと。

あと1970当時、髙見澤さんが出会って聴いて衝撃を受けたロックを聴きたくなった。
そういえばイエスの「危機」聴いた事無かった。というかイエスあんまり知らん。
ユーライア・ヒープも。

「憂鬱な週末」は今の大ベテランのたかみーだから書けるんだろうな。
パンピーには見えなかった所にうじゃうじゃいて消えていった歌手、ミュージシャン。
逆にいうと「音叉」の瑞瑞しさにはびつくりである。

どうでもよくないが「ほほう」てなったニュース:
小説家の時は漢字表記が違う、こちらの難しい方が本名なのだそうだ。