社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

予言の島

昨日のうたコンのフラカンが素晴らしかった。
茶の間で「深夜高速」観られる有難さと言ったら!

「予言の島」(澤村伊智/角川ホラー文庫)読んだ。

瀬戸内海の孤島に伝わるヒキタの怨霊と一世風靡した霊能力者の残した予言、面白がってわざわざ行く奴、そして出る死人。
程よいミステリ。がんがん死ぬ系。ホラーテイストだけど内臓そんなに出ないよ!ちょっぴり出てるけどグロくない。
ネタバレするあるよ。
めっちゃ書くよ。










都合の悪い事実(産業廃棄物の不法投棄&発生する有毒ガス)を”怨霊”として恐れるという民間伝承にするシステムは悪くなかった。
善悪とは別に。
そして”予言”を自己成就しちゃう。呪いって”掛かってる”と認識した人によって実現しちゃうのだ。
民間伝承と合理的解釈のバランスがよろしゅうおますな。

・・・で終わらないから澤村さんなんだよ。
一旦謎解きされてからが長いし澤村さんだし何か仕掛けてあるとは思っていたが。
オカン!
ずーっと居てるんですわ。
何を言ってるか解らないかもしれないが、オカンがずっと居てる。
此れがまた究極にさぶいぼ立つホラー。ぞわぞわくる。
二重人格オチくらいはあるかと思っていたが、ほんまに居てる思わんやろ。
二度読み必至だわ、此れ。
もう1回読み直すと、めっちゃ腑に落ちた。
地の文がどうにも落ち着かない、微妙に傾いた部屋で長時間過ごすみたいな軽い違和感。
宗作が時々丁寧語になるん、そんだけパワハラでメンタルやられてるんだー、と思ったら、そっちか。
父親に関する話がえらい重たいと思ったら、そっちか。
お風呂どうしてたん。鳥肌。
本人・友人達のオカンへのスタンスも“民間伝承との良くない付き合い方”なんかもしれん。
下手に触ると大変だからそこそこの付き合い方する、みたいな。

そして解説。
霊能力者の娘さんがお書きなのだが、本編読む前に先に読んでひゃーってなった。
上岡龍太郎懐かしい。そういえばオカルトお嫌いだった。
イワシ占い、おったな。
読み終わってからもう一度解説読んで、何となく聞き覚えあるような・・・とググって「え?」ってなる。
無いんだ。
自分がググった時は、同じくググって「え?」ってなってる人のツイが出てきた。
其れにしてはもうちょっと「え?」が上がってきてよさそうな気が。。。
背中すうっ、てなった。
bingやduckduckgoだとどうなんでしょ・・・ってググったら、役立たず。
「キリカ」もそうだったんだけど、読んだ後感想言うとこまで関わってくるん怖い。
三津田さんの作品も小説から現実に侵食してくるけど、三津田さんは明確に「お前ら狙いにいくで」って言わはる。
澤村さんは暗黙で「・・・わかっとるよな?」って感じ。

どうでもいいニュース:
三津田京極横溝、って語呂ええな。