社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

三体

最近、地震多くて厭ァねェ。

「三体」(劉慈欣、訳:大森望・光吉さくら、ワン・チャイ、監修:立原透耶/ハヤカワ文庫SF)読んだ。

とうとう出たよ!
文庫化諦めるか・・・と思案していた所だった。ありがてえ!
という事で日本語版出てから少し時間が経っている、なのでふわあんと粗筋を知ってはいた。
が。
マジで前情報無しで読んだ方が良いかも。
気の所為か今迄読んだ劉慈欣で一番読み易いような気がする。
ごりごりがっつりSFなんだけど、サスペンス的なとこもあって引き込まれる。
すっげー人気あるの解るわ。
先が読めそうで読めない、気になるけど一気に読むのしんどいし読み終わるのが惜しくなっちゃう。
あほの子が読んでも大丈夫。
以下、ネタバレ有り。










雑に言うと




人類は愚か、滅べーーーッッッ!

という話。雑過ぎる。
文化大革命で真っ当な理論物理学者だったお父さんを惨殺され、自らも過酷な労働させられるは嵌められるはでそりゃあもうエゲツない目に遭った天体物理学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)の話。
其の四十数年後に科学者の連続自殺事件を追う羽目になったナノマテリアル研究者・汪淼(ワン・ミャオ)が色々あって不可解な現象に見舞われ、「三体」というVRゲームをやる事になる話。
「三体」やりながら事件を追ってくうちに文潔と出会う事になる、そして解るとんでもない事実。三体って一体。
章タイトルに「だれも懺悔しない」とあるが、もしだれかが懺悔していたら、文潔は最後の引金を引かなかったんだろうか。
時代が時代でなければ残酷にならず、惨殺する事は無かったし或る意味被害者かもしれないが、文潔の前では何の言い訳にもならんわな。
やっぱり人類は愚かである。
で、ヤッチマイナー!は良いけど、自分がやられる側とは考えないんだろうか、自分だって愚かな人類ではないのか、宇宙というか三体文明から見たらみんな只の人間じゃんよ、「こいつらはちょっとエラい」等と区別付けてくれるのかね。
イスラエルパレスチナの”憎悪と報復の泥沼”にもちょっと触れられている、其れを今読む事になるとは・・・人類は(略)。
知識階級はそんなにエラいのか、其れもエゴではないのか。ねー。
文潔はETOにも失望すべきではないのか、結局武装してやがるし、下手こいたらお父さん惨殺した奴等と同じじゃんよ。
というかETOのイキってる輩達もまるっと文潔が「人類は愚か、滅べーーーッッッ!」なんだと思ってた。
やっぱり人類は(略)、と割と本気で怒りながら読んでた。
汪淼と史強(シー・チアン)はええコンビやな、物語の一服の清涼剤的な。
でも三体文明にアホにされたくはないな、つか何も科学技術の発展を止めなくても。利用したらええんやないか?
SFのスケールのでかさには力いっぱいわろてた。
何で「応答するな!」だったのかはもうちょっと読み返して考えたい。

ナニモノかが科学を殺そうとする・・・実験結果が安定しない、物理法則が不変ではなくなった時代の日常生活はどーなってんだろう。
学者達はやべー!ってなってるけど、日常生活にも影響出てそうな気がする。

ゲーム「三体」は精神病んでる状態で日曜朝に二度寝した時に見る悪夢のようだ。
救いの無さとか。
うっかりやってレベル上げた人仲間にしちゃうのか・・・というかいまいちゲームの攻略方法が解らない、単純に適性見てるだけなのか。

そんなこんなで「これが、人類の落日」となりつつ悪足掻きをしようとするのだが。
一体どうなっちゃうんでしょうね。

さー今から「三体」の感想見てくるかー。
でも「黒暗森林」「死神永生」のネタバレは踏みたくない。どうしよ。
1作目の感想に続編のネタバレ書くアホおるやん。
既に「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のネタバレ踏みかけた。やっぱり人類は(略)