社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日

さよなら、わたしの安穏とした日々よ。

「ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日」(キース・トーマス、訳:佐田千織/竹書房文庫)読んだ。

左右反転しててもふつーに認識出来るもんなんだな・・・。
2023にダリア・ミッチェル博士が発見した謎のパルスコード。
銀河系外の生命体から送られてきたようだが・・・。
人々の変容(DNAのハッキングとは何なんだ)、そして起こる「上昇」、「終局」。
一体何なんだ、何が起こっているんだ。
著者キース・トーマスが博士の私的記録、前大統領等の関係者インタビュー、聴取記録等から真相を追っていき、書かれたのが「『上昇』秘録」で読者は其れをお読みになってるんですよ・・・というファーストコンタクト物のモキュメンタリ―SF。
面白かった。
かったるいかな・・・と一瞬思ったけど、気がついたらずーっと読んでた。
”知らないモノへの恐れから来る愚かさ”或いは”知る怖さ””知らない怖さ”が描かれた物語なのかな、と思ったがどうか。
以下ネタバレあり。





書かれたのは「終局」の後、なので”何か”起こった事は初っ端から解っている。
だが具体的に何が起こったのかはなかなか明らかにならない。
「上昇」も人それぞれ、失敗して死ぬ人も少なくない。
”消失”ってどゆこと?
読んでる途中で、伸夫の世界の反対側に自分が居る・・・みたいな話(詳しくは忘れたのでちょっと違うかも)をちょっと思い出した。
パルスによって上昇者となった人は、隣り合わせの”反対側”の世界に行ってしまうのかな、と思った。

陰謀論の人が醜悪。
読んでいて吐き気がした。
寧ろアンタら陰謀論って「上昇」好きそうやん、”アセンション”とか言っちゃったりしてさぁ。
(作中の「上昇」はアセンションとは言わないみたいだけど、エレヴェーションだったか)
大喜びで「選ばれし者!」とか言って信じちゃうんじゃないのかよ。
逆張りばっかりかよ、つまらん。
そんなんだからお前らは「上昇」しなかったんだよ。。。

したら待ち受けていたのはとっても明るい虚無☆
清清しいとすら思った。
上昇しても選ばれても其の先になんもないとは皮肉なもんだな。。。
或る種の”解脱”なのかしらん。
上昇しなかった人達は終局を迎えた世界で此れからも生きていく。
こうやって、実際の社会も、しずしずと終わってゆくのかもなー。

其れにしても、何でずっと「ダリア・ブラック」なのだろうか。
左ページ上、題名や章タイトルが表示されるであろう箇所に「ダリア・ブラック」とあるが、ダリア・ミッチェル博士が改名する訳でもないっぽい。
読書メーターの感想見てて知ったが最初らへんに1か所「ダリア・ブラック」なとこがあって「確かに。」と思ったが、逆に「何で此処だけ?」である。
原題が「DAHLIA BLACK」だから?
書き手・読み手巻き込んだ大展開あるんか、其の鍵が「ダリア・ブラック」なのかと思ってた。
此れは読んだ人に片っ端から尋ねてみたいくらいだ。
そういうツッコミ所も含めて面白かったんだが、誰か教えてください。

どうでもいいニュース:
何で此の本の感想で「三体」のネタバレすんねん(何かを見た)