社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

もののあはれ

もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作集2(ケン・リュウ/ハヤカワ文庫SF)」読んだ。

「紙の動物園」は表題作めっちゃ好きだったが他の作品があまりピンと来なかった。
もののあはれ」は結構好き。
哀しさもありながら、其れ以上にわくわくする。
表題作、”鉄槌”という小惑星が地球にぶつかるから宇宙の居住できる恒星へ・・・という話なんだが、今読むとまともな宇宙船が1機しかなくて全員逃げられないとか「審判の日のシナリオに懐疑的なアメリカの科学者たち」となんの手立てもなく大災害を現実と受け入れられない人がいるとか、どうにも2020年以降の情勢にオーバーラップしてしまって。
でも幾つかの物語では、其の時代の新しい人達が、次の時代を生きようとしている。
形を変えながら。
「どこかまったく別な場所でトナカイの大群が」ではママから「リアルなもの」の体験を受け取りながら。
「良い狩りを」は妖怪&スチームパンク。ラストめっちゃかっこいい。

映画化した「円弧」はどの位変わってたんだろうな。
この物語の美しさが映画に継がれているといいな。

そして独立した短編のようで、何処か繋がっているような気がする。
もののあはれ」の何代も先の人類が、「波」で追い越した人類なのかもしれない。
「どこか〜」も「波」に繋がってそうだ。

中高生よ「波」で読書感想文をお書きなさい。
・・・とラジオで読書感想文の話題やってんの聞いててふと思ったんだが、必須じゃないとこもあるんだっけね。
出したら図書カード貰えるらしい。
(というのは姪が小学生か中学生の頃の話なので今はそんなん無いかもしれないが。)