社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

鵼の碑

「鵼の碑」(京極夏彦講談社ノベルス)読んだ。

単行本のデザインめっちゃ好き。
メフィストクラブ限定のサイン入り単行本は当選しなかった。
残念である。
厚いよー


因みに570g位である。
文庫版が待てなかった、こういう御時勢だから。
買えるうちに買え、読めるうちに読め。
嬉しくて読書ノートの字が読める。(普段は雑過ぎて書いた自分でも読めない)

粗筋見てもインタビュー拝読しても、解りやすく「こんな事件が!」という話ではなさそうである。
実際そういう話である。
蛇、虎、狸、猿、全体の鵺で見たら歪だけど其其で見たら落ち着くでしょう、って話かと思ったがそんな安易な話ではなかった。
脳みそのインデックス機能が死んでるから何とも説明しづらい。。。
其れでも”憑き物落とし”は機能する。
構想を何度も捨てはったそうだが、どんな構想であっても必ず此処に落ち着くんだな、という謎の安心感はあった。
まさかとは思ったが。
そして京極堂と其処がそう落ち着くのか、と。

そんな中でも関口がちゃんとしてる、ような気がした。
京極堂は容赦無いが。
私の大好きな榎木津の今作初登場シーンは声出して笑った。

姑獲鳥の夏」「絡新婦の理」読んだ時みたいな衝撃は無い、もっと緩やかに作用している。
此れで良かったんだ。
とか言いつつ、早くも次作楽しみなんですが。

宗教、陰謀論、お化け・怪談の有り様についても語られている。
京極先生のメッセージなんだろうけど「あゝ此れが作者のメッセージなんだな」という安易な理解を拒む。
あくまでも娯楽、世相は意識してないよ、と。
令和の今「刺さるわぁ」な箇所は昭和でも22世紀でも「刺さるわぁ」なのかも。

とはいえ

・善良な人ほど信じてしまいがち
・信じたくないが故に信じてしまう
・科学的思考と云うのはそれらしいことを丸飲みで信じ込む事ではない。疑い、考え、徹底的に懸賞すること、そして証明が出来なければ解らないとする
・人は自分と違うものを怖れる習性を持っている

という事は何処かに記憶しておきたい。
意識することが出来ないとこだったとしても。

どうでもいいニュース:
流泉書房のサイン色紙見に行ったら「入荷予定のサイン本」のとこに掲示されていた。
ま、まさか・・・と聞いてみたら、入荷予定は無かった。
というか、店頭に並ぶ迄も無く売れたそうである。そりゃそーよ。
(「遠巷説百物語」の文庫版は発売日昼には売り切れてたから京極ガチ勢がいらっしゃるんだろう。)
お話を伺う限り、予約しても厳しかったようであるが、其れはサイン本の事であって欲しいと思った。
京極先生のサイン色紙が存在するお店に、サイン本以前に本自体が殆ど入って来なかったなんて思いたくないよね・・・。
※単行本はあったがノベルスは見かけなかった。
あと高額転売する奴と買う奴のうんこがガチガチになって排便に苦しむ上に腹壊しますように。