社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

事件持ち

嫌がらせするとなったらイタ電か学校に物投げるか。
其れは国を問わないんだな・・・。

「事件持ち」(伊兼源太郎/角川文庫)読んだ。

とある連続殺人(粗筋には猟奇殺人とあるけど、そんなに猟奇的ではないような)を追う新聞記者、刑事の物語。
其其の道で真実を追うし、時には利用しようとしたり心情に訴えかけたり。駆け引きもある。
新聞社には新聞社の、警察には警察の事情なんてものがあるので、組織の中でもすったもんだ色々ある。
作者は新聞記者をされていたからか、どんな風に警察を取材するのか、署回りとは・・・等が詳しい。
さり気なく専門用語の説明がされている。親切である。

警察主体の推理モノだと思って読むとちょっと肩透かしを食うかも。
ドキュメンタリーだな、記者と刑事の。
追求するのは、正義とは何か、信義は何か。
そしてドキュメンタリー的な迫力にマスキングされているが、結末はなかなかに胸糞が悪い。
絵に描いたサイコ過ぎない、地味に其処ら辺に居そうな所がリアルに感じる。

読んでいて取材側の傲慢さを感じてしまった。
其れは田渕だけじゃなく、主人公の永尾も、ちょっと。
情報の真贋ガー言うてみても、ちょっと踏み込み過ぎなような気がした。
其の位のつよつよプライドが無いと勝ち抜けないんでしょうなぁ。
警察だって、散散やっといて敗北したって、ねえ・・・殺人事件に敗北もへったくれもないよなぁ。