社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

急行霧島 それぞれの昭和

とうとう家人がティアキンをクリアしてしまった。
よもやゲームのエンディングを観て泣くとは・・・必死で堪えたけども。
実は其其の賢者のエピソードの時点で既に涙腺が・・・だった。あとマスターソードを再び手にするとこも。
自分は全くやってない(やってたら絶対クリア出来ない)が、充実感と虚無感凄い。
当の家人は新しいゲームを始めているが。

「急行霧島 それぞれの昭和」(山本巧次/ハヤカワ文庫JA)読んだ。

“書き鉄”が描く昭和。
昭和36年、生き別れの父に会いに行く美里が主人公である。
母が亡くなった事を、母が営んでいたお店の客を通じて父に連絡し、送られて来たのは手紙と急行霧島の切符。
座席には座れたけど今と違って鹿児島から東京へは急行で1日以上掛かる時代、
同席するのは謎のお嬢さん、会社員、初老の御夫婦。
更に此の霧島には傷害犯も伝説のスリも乗ってるらしい、捕まえようとする警察もわんさか。
怪しい男も居る。
美里は無事、お父さんに会えるのだろうか。
めっちゃハラハラするー。
事件も謎も次から次から、美里も巻き込まれるし・・・。
ハラハラし過ぎて尾道辺りまで読むのしんどかった、其処からは一気に。
其其の事件もしっかり解決するし、悪人は悪人なりの仁義っつうものもある。
お嬢さんの正体と旅の理由も明らかになる・・・ちょっと切ないけど、そういうとこがあるからお父さんも厳しかったのかも。
そして何故此の霧島の切符が送られてきたかも明らかになる。其処迄!
お父さんに会えるかどうか、迄だと思っていた。ちょっとびつくり。
いやあ最後鳥肌立ちましたわ。
ベタといえばベタなんだけど、却って其れが新鮮だったりする。
ええもん読んだ。

※2023/06/23 追記
書いた。
https://www.honzuki.jp/book/317638/review/292575/
書く時に今だったらどの位掛かるんだろう?と調べて見たら、
 飛行機→1時間40分くらい
 鉄道→特急・新幹線を乗り継いでも7時間くらい
 夜行バス→福岡乗り換え有りで18~20時間くらい
だった。
作中の運行表によれば15:55発→18:20着で1日以上なので、随分早くなったものである。