社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

地獄くらやみ花もなき

久しぶりに人様から本を借りた。
自分が持ってた本を「読みます?」って友人に送り、其の後友人の「読みます?」と共に返ってきた。
超久しぶりなのでドキドキワクワクしちゃうね!
「此の人の好みは自分にとって間違いない」の書籍部門の友人なので面白い事は間違いない。
実際、全部面白かった。
ありがとうございます。

「地獄くらやみ花もなき」(路生よる/角川文庫)読んだ。

タイトルの語呂が良いな、口に出して言いたい日本語。
地獄代行業の話、とだけ知っていて興味があった。
主人公の青児、初っ端からネカフェ難民
ひょんな切欠で辿り着いた洋館で出会った皓という和装の少年の代行業・・・地獄代行業を手伝う事になる。
青児の「人が化け物に見える」という能力を活かしながら。
想像してたよりミステリー要素がつよつよだった。
いいですなぁ。
誰かに「犯人は・・・」と話させておいてひっくり返すのも此れまた楽し。
登場する妖怪も渋い。ガチだ(何が?)。
皓の「なにせ僕ですので」、青児の「牛も本望ですね!」が清清しくて良い。かわいい。
以下ネタバレちょっとあるかも。





そっかー皓は少年に見えるけど長生きなんだな。
稲生物怪録」の魔王の息子。
小野篁とツーツーだし。
登場人物見てびつくり。此の位置に小野篁は”ひっかけ”なんだろうか。
(というか亡くなってからずっと地獄で働いてはるんかな、大変だなあ。ワーカホリックなのかもしれないが)
青児をペット扱いするのも、単に頼りないだけじゃなくて物理的に若いもんな。
こういう助手あるあるで、何気なく言う一言が真相突いてたりする。
彼の化け物が見える能力も、其の人の罪が化け物として見えるというもの、適職やんね。
「鵺」は成程、全員合わせて”鵺”になるのか。
そして依頼者の義姉は面倒な死に方するなぁと思ったら、成程。
其れにしても地獄への堕とし方が優しいなぁと思った。
問答無用!じゃなくて一応人間側の事情も知った上で堕とす。
青児も又、罪人。
彼は堕とす代わりに助手として働く事に・・・綺麗に収まったな。
此の1冊で十分満ち足りている、でも彼らの其の後も気になる。