社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

探偵映画

また「コロナ明け元年」とか言われてるの見たけど、どう考えても明けてないよなぁ。
勝手に明けて解放的になってる人が居るだけで。
個人的にはじりじり、と推移しているように見えるし救急車のサイレンを耳にする機会が増えてきた。

「探偵映画」(我孫子武丸講談社文庫)読んだ。
今年の流泉書房夏フェアで買った本である。
(去年のも未だ読んでない本あるのにさ・・・)
探偵が出てくる映画の話、ではあるのか。
「映画」と呼ばれる探偵の話ではない。
映画監督が、自作の撮影中に失踪。
ラッシュ迄は作られたけど、肝心の結末部分が未だである、しかも其処は監督以外誰も知らない。
どうするどうする?
以下、ネタバレ有り。「カメラを止めるな」のネタバレもあるかも。
おっぱい削がれたりしないので安心して読める、とだけ。




トリック見破って犯人を突き止めるのでは無い。
途中迄作られた映画の結末をどう作り、如何に面白くするか。
其の為のトリック作り、犯人の設定。
目の付け所というか、ちょいと変わってて面白いなぁと思った。
思いつくだけなら幾らでも思いつく、出演者は「我こそは犯人」とストーリーを考えてくる。
主人公のサード助監督も考える。
なんだか青春してるような気がする。
主人公の案が一番面白そうだな・・・で実際に作られる”結末”もそうなる。
しかし監督(お騒がせだなーもう)はもっと上を行く結末を用意していた。
びつくり!だけどミステリーとしてはオーソドックスなのかもしれない、知らんけど。
映画で叙述トリックやったらどうなる?という話でもある。
前半でそういう話が出るのだけど、まるで「カメラを止めるな!」を予言したみたい。
作品自体は1990年に発表されている、其の頃に読んだ人だったら、逆にカメ止めを「『探偵映画』かッ!」って思いはったんかな。