社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

凶鳥の如き忌むもの

最近の「THE TIME,」からの「ラヴィット!」繋ぎが楽しみである。
元々安住さんと川島の応酬も面白かったが、川島が新コロ療養中はラッピーが登場している。
ラッピーのフリップ芸(&スタッフ悪ノリ)も良いが、其れを受けた安住さんのリアクション(一部顔芸)上手いわー。

「凶鳥の如き忌むもの」(三津田信三講談社文庫)読んだ。

とり。
兜離(とり)の浦沖の鳥坏島にある鵺敷神社で行われる神事”鳥人の儀”、18年前に行われた時は1人を残して全員失踪、そんな神事がまた行われるというので刀城言耶がやってきた。
地元の若者や民俗学やってる女子学生と共に儀式に臨むが、巫女さんが消えちゃったぞ?
やっぱり刀城言耶シリーズが好きだ。
本題に入る前が長くても此のシリーズなら平気である。
ネタバレありますです。




解説で横溝正史の「本陣殺人事件」についても触れられていて「なるほど」と思った。
姉弟でデキてんじゃね?と邪推方向に深読みしていたが「何たる不倫!」的な要素は無し、という意味ではマイルド横溝。
そして明確に殺そうと思って殺す訳ではなかったとこは正に「本陣」だったな。
謎の信仰の強い島の謎な作りの拝殿に色々ややこしそうな人と探偵役が集えばそりゃあ事件も起こるだろう。
トリックのトンチキすっとこどっこいっぷりも「きたァ!」って感じである。
途中のみんなで考えましょう話し合いしましょう、はどうかと思ったが。
でも最後に一旦謎解きしたと思いきやそっから更に謎を解く、というのは「やられたァ」である。
惨いんだけども、其れがあの人達の信仰なんだもんな。。。

あと怪異譚を楽しむ姿勢についても触れられている。
怪異譚を聞いて楽しむ為にも下手な合理的精神は邪魔、ただし娯楽として受け入れている場合ではない状況下では人として考えるという行為をすべき。
「そこで思考を停止させて怪異をそのまま受け入れるのは、人としての尊厳を捨てているような気がするから」(P.194)
刀城言耶のスタンスだけど、恐らく三津田さんのお考えでもあるのだろう。

どうでもいいニュース:
今更だけど「東城雅哉」より「刀城言耶」の方がペンネームっぽいような。
そして脳内を過る笑い飯。其の鳥人ではなく。全くなく。