社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

薬物依存症の日々

今日のエントリみたいな内容を上げると、恐らく薬物容認しろよバーカバーカ!派がコメント欄に湧く。
無駄にウエメセで偉そうなコメントしたり、変なサイトへ誘導掛けたり。
andymoriの小山田の一件の時とか、ほんと酷かった。
ああいうの見ると「やっぱりやったらあかんもんを、やったらあかんわ」としか思えない。
コメント欄を承認制にしてるのは、そういう輩対策である。
ほんま、まじで。
・・・という断りを最初に入れますよ、と。

「薬物依存症の日々」(清原和博/文春文庫)読んだ。

「一生執行猶予でもいい、延ばしてくれへんかな」と語る清原氏
本人としては変わらないのに、「執行猶予が明けたらいきなり聖人君子にならないといけない」プレッシャーを感じていたそうである。
一歩踏み出す為に、薬物依存の怖れ、葛藤を語ったのが此の本である。

薬物依存を治す薬は無く、「他の人間も同じように陥る病気」。
そして、其の事を知る事が治療プログラムとして効果があるのだそうだ。

第二の人生に切り替えていくのは難しい。
ずっと打ち込んで来た野球で一度脚光を浴び快感を覚えてしまったなら尚更。
他の趣味が無く、心の喪失感を埋める為に酒の量が増える・・・そして薬物へ。
勧めた奴けしからんな。
コントロール出来ているつもりでも重度の薬物依存、ぶっ倒れる迄薬物やってるけど誰にも言えない自分が嫌で命を断とうとする、其処からの現実逃避、そして再び薬物・・・という悪循環。
今はうつの薬、睡眠薬で何とか抑えてる感じなんだろうか。
其れでも辛そうだ。頭が働かない。
思い切って入院、という訳にもいかないようだ、「清原さんですね」って声を掛けられるのがストレスとなる。
新しい“清原和博”になれたら良いのになぁ、と思った。
”今迄の自分”と”現在の自分”の落差がしんどそうである。
声を掛けられる辛さも「昔の完璧な自分を知ってる人に今の不完全で弱い自分を見られる」というしんどさから来てるのかな、と。
有名人ならではの悩み、苦しみもある。
有名人、人前に出る仕事をしてる人オンリーの自助グループがあって良かった。

そんな清原氏を救ったのが息子さんの存在。
バッティングを教える事で御自身の得意分野を生かし、野球に夢中になれる(とすると心の喪失感も埋められそうだ)、何より息子さんの為になる。
息子さんだってお父さんが教えてくれるのは嬉しいだろうし。
結果が繋がって、「逮捕された日をホームランを打ってくれた日にしてくれた」のが大きいようだ。
教える為に動画を観る等して研究をされたそうだが、打撃論の「これが正解だ」という考え方は危険。
人生もそうなのかも?
・・・と読み進めると「3割で大成功」「自分の短所を消そうとして完璧を求めていくうちに大切なものを見失う」とある。

「またやるんじゃないか」という目で見られる、思われる事を抑止力にしよう、というのが強い。
御本人はフラッシュ焚かれる事ですらトラウマであり、当時の心情がフラッシュバックするというのに、精神的に辛いのに。
でも其れを抑止力にする。
移送中におもいっくそフラッシュ焚かれて晒されたのも、態となのかも知れない。
二度と屈辱を味わう事の無いように。
(思い出したら薬物の快感では割に合わない・・・って余程ではないか)
とはいえきっついわー。
やられてる事自体きっついし、其れでも時間が経っても何かの切っ掛けで再び・・・という可能性がある事もきっつい。

解説は主治医の方。
孤立している、しんどい人は依存症になりやすいのではないか、という話。
依存症の本質は苦痛、苦痛の緩和・・・との事。
解説の方は薬物関連の事件報道に苦言を呈しておられるが、一般人向けには多少は必要な気がする。
センセーショナルに騒いだりフラッシュ焚きまくって晒したりヘリで追っかけたり家族に凸ったりはしなくていい、イメージ映像も要らない。
ただ「やっても良い事は全く無い、碌なもんじゃねえ」という強い”印象付け”は必要なんではないかな、と。
勿論、優しさを持った上で。
難しいな。

読み終わって、アスリートの“競技一筋”を緩和出来ひんかな、と思った。
他に趣味が無いのは万が一其の競技を続けていけなくなった時の精神的負荷が大きいし、競技にも依るだろうけどアスリートで居られなくなってからの人生の方が長い。
というか、SNS等で見かけた新コロ1年目の学生アスリート、あまりにも脆かった。
わあわあ泣き言言える弱さの分だけ、依存症になりづらいのかもしれないが。。。

どうでもいいニュース:
かくいう自分も薬飲まなきゃ寝付けないしメンタルも安定しませんけども。
そんなのヤダヤダ太るからヤダヤダ、と最低限に留めている。
結局何処かに依存しなければならないのであれば、自分自身にも人様にも迷惑掛けないモノに依存する方が良いんだろうね。