社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

やめられない ギャンブル地獄からの生還

連休前にやろう!と決めた事、全く出来ないまま連休が終わってしまった。。。

「やめられない ギャンブル地獄からの生還」(帚木蓬生/集英社文庫)読んだ。

ギャンブル、主にパチンコ・パチスロ、競馬。デイトレード・FXもギャンブルに含むらしい。
前半1/3位がギャンブル依存症の方のずっぱまりの経緯と何が切欠で精神科を訪れる事になったかが書かれた手記。
手記、凄い不快感ある。
此のテの手記は好物なんだけど、此処に載ってるのはすげー不快感ある。
依存ズブズブの人が手記読んだら行きたくなるスイッチになっちゃうんでは?と思ったが、自助グループに参加するような感じになるんだろうか。
パチに誘う奴も罪深いよな・・・後悔してるんだろうか。
誘う奴も依存症気味なんかも。
もし「破滅する程のめり込むのが悪いんじゃん、自分は違う」って思ってるとしたら、其れも依存傾向があるような気が。
普通は誘わんでしょう。
自分の周りに居たパチンカーは”戦利品”くれる事はあっても、興味示した自分に「素人はよう誘わん」言うてた、二人共。

以降、ギャンブル依存について、どう”生還”するかについて解説されていく。
本人・家族には如何に重症か分からせる為に相撲の番付に喩えて説明するそうだが、「おめでとうございます。治療しなければ、将来、大関横綱は間違いなし」と手を叩く(p.113)のだそうだ。すげえ。
鬼よりも悪い、ミミズ以下・・・とけちょんけちょんである。
借金がある、嘘を吐く・・・と立派にギャンブル依存症らしい。
(手記の不快感は「嘘を吐く」所にあったのかも。)
手記の人達の「全額を借金返済に充てるのが勿体無い」という心理が解らなかった。
借金の無い状態が怖い、次の借金がしやすい・・・のだそうだ。借金ありきなのかよ。
放置して利子が嵩む方が新しい借金作られるよりマシ、て。
「援助しない援助」、借金を肩代わりするのではなく、判明した時点で精神科へ。
借金は自己破産etc.しながらも本人に返させる。
そして、自助グループ&通院。
自助グループではただ語り、人の話を聞く。
人間性回復、という意味で自助グループは有効なようだ。
ただ・・・其の自助グループがちゃんとした所じゃなくて、変な団体・宗教絡んでたら怖いよなぁ、と。
帚木さんも宗教が絡む点については少し触れておられるが、今だと何処でどんな胡散臭い団体がカモ探してるか解らないと警戒してしまう、特に今は。

自分の意志の弱さ、誘惑に勝てなさを考えると他人事じゃない、自分もああなってしまうかも知れない怖さがある。
そう思って読み始めたのだが、意志とは無関係・・・まじかよ。
正社員時代に何度か競馬観に連れて行って貰った事があるが、馬券を100円ずつしか買わず、ボロ勝ちしなくて、ほんと、良かった。
パチに興味本位で手を出さなくてよかった。
何であんなにずっぱまっちゃうんだろう?と思ったが、其の理由にもちょっと触れられている。

文庫版が出たのはIRだのカジノだのやってこー!てな事を政府が率先してやっちゃってるからなんだが、誰も幸せにはならなさそうである。
経済効果・雇用創出という観点でも効果無さそう。。。
依存症対策もするみたいな話あるけど、そう簡単ではないぞ。