社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

イクサガミ 天

空調の効かない通路で、もそもそと作業をしていたら暑く、だばだば流れてくる汗が目に入って痛い。
早よ終わらせて冷房の効いた部屋で冷たいお茶飲むべや、いや其の前に冷たいお茶休憩取るか・・・
等と考えていると、業務用の送風機みたいなやつを持って来てくださった方があった。
ありがとうございます。
地獄で神に会うって、此の事だ。
お蔭様で冷えるくらい涼しい中で作業が出来た。

「イクサガミ 天」(今村翔吾/講談社文庫)読んだ。

表紙絵が石田スイだけど、読んでて沙村広明で脳内再生してしまう。。。
時は明治時代。
武技に優れた者は5月5日午前0時に京都天龍寺境内に来い、10万円得る機会やるで。
・・・という怪文書に釣られて集まった人々が「こどく」という”遊び”をやる事に。
明治時代の10万円はすっげーでかい。事情のある人々が集まってくる。
参加者は首から木札を下げ、1か月後に東京・・・”あの日に消えた江戸”に行けば良い。
但し決められたチェックポイント的な場所へは指定された点数を持って通らねばならない。
点数は、木札1枚につき1点。
欲しければ他の参加者から奪わねばならない。
木札外して離脱したら”相応の処罰”が待っている、此の説明を受けてから抜けようとした人は斬られた。
主人公・愁二郎は少女・双葉を連れて東京へ向かう事に。
途中、他の参加者やらかつての義兄弟やらが木札を奪いに狙ってくる。
手を組もう・・・とやってくる奴も胡散臭い。
何より、只ライバルを殺して木札を奪えば良いというもんでもないのだ。
仮に境内で奪いまくったとする、するとそいつを殺せば1回で大量の木札をゲット出来るのだ。
あんまり殺したくないもんなぁ。兎に角斬りたいって奴もおるけど。
そんな感じで剣技だけじゃなく情報戦も凄まじい。
愁二郎のマスターした京八流が面白いんである。
思わぬ所で鬼一法眼出て来た。
此れも絶妙に「こどく」に絡んでくるんだろうか、既に絡んではいるけども。
いやー面白いっすわ。
人気ある、講談社文庫のTwitterがめたくそ推すのも解るわー。

主催側も訳アリっぽい。
効率よく”やる”為に色々企んでいる・・・こちらも後後どうなるんでしょうな。
仲間割れとかあったりして?

ていうか。
いやあああ
推してたっつうか肩入れしてた登場人物、あっさり殺られ過ぎである。
まじかよ。
後で「実は・・・」ってこたぁないんでしょうな、此れは。
えらい所で終わってもうたやん、続き気になるやん。
誰かアイツを何とかぶッた切ってくれえ!

旧時代的なモノは何処迄生き残れるのか、生き残れたなら其れは時代を越えた普遍的なモノになるのか・・・というのもテーマなんだろうか。
最終章読んでてちょっと考えた。

そして「イクサガミ」とは。
最後の最後に明らかになって「うおおおお!」となる予感。

因みに「イクサガミ」も楽曲プロジェクトって小説イメージの楽曲書き下ろしがあるらしい。
曲→小説への波及は不明。

どうでもよくないニュース:
此の帯目当てに買ったんですけども。

京極先生にもお分かりいただけましたでしょうか、「鵺の碑」を待つ私共の気持ちが・・・。
解ってんですよそんな簡単な訳にはいかないのは、でも、でも・・・(嗚咽)
※2023/07/31 21:50追記
出るってよ!「鵼の碑」が!


「鵺」じゃなくて「鵼」が正しいそうだ。