社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

遠巷説百物語

あんぽ柿があんなに恐ろしい食べ物だったとは・・・次の東北物産展に期待。

「遠巷説百物語」(京極夏彦/角川文庫)読んだ。

盛岡藩・遠野保の御譚調掛(おんはなししらべがかり)・宇夫方祥五郎が筆頭家老の命を受けて巷の噂を聞いていくうちに色々巻き込まれていく。
「昔、あったずもな。」で始まる”譚”、こんな事があって~な”咄”、其処からかくかくしかじかこうなって~な”噺”、一連の経緯・仕掛けは~な”話”と進むのが面白い。
”譚”は祥五郎が筆頭家老に報告する為、教訓として後世に残す為に書いた形なのかな・・・と思ったけど、違うかもしれない。
遠野の誰かが見聞きしたのを書き残したのかも。
其れにしても、面妖な事件にはお侍・お役人だって戸惑っちゃう。
狂っちゃった人も有れば欲かきまくりな人も有る、ただ全体としては悪~い御偉方に下っ端が巻き込まれていく感じか。

今回、仕掛けはそんなに大掛かりではない。
物理的には大掛かりなんだけど、此れ迄に又市の絡んできたような仕掛けのような規模ではない。
「承知の上で信じる、承知の上で縋る」(p.275)事が薄れてきたのだろうか。
遠野ですらそうなら、全国各地で暗躍する又市や又市のような人等は一層やりづらくなっちゃったのかもだろうな・・・。
後巷説百物語」あるやんって思ったけど、あれは明治時代から昔を振り返るスタイルだった。
でも・・・もうちょっと彼等の話を読みたい。
一筋縄ではいかない時代、正義という悪や悪っぽい正義が溢れて何が何だか定かじゃない時代なんだもん、読んでるワシらが生きてるのは。
フィクションくらいは、全てを見極めた上で心底悪い奴をぶった切ってスカーッとしたいよ。
澤田さんの解説読みながら「んだんだんだんだ」って高速赤べこ頷きしてた。

そういえば今更だけど、「文庫版」とは付かないんだな。

どうでもいいニュース:
KADOKAWAアプリ使って妖怪ARフォトフレームで色々撮れる筈なんだけど、アプリで表紙スキャンすると作品ページに飛ぶ。
何故?
どうやらアプリ立ち上げて1回目は妖怪さん達出てくるけど、2回目以降は表紙スキャンしちゃうようだ。