社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

東海道戦争

個人的に筒井康隆ブームが来ていてぽつぽつと読んでいる。
懐かしさもあるような、昭和に書かれたものが令和にそのまま通じちゃうとこもあるような。
しかし何故お師匠さんやお稽古で一緒だったお兄さんは「農協、月へ行く」みたいなハードコアなやつを勧めてくれはったんやろ。。。
当時おぼこい(?)いたいけな高校生だった自分に。
確かに面白かった、だが他にもうちょっとマイルドで筒井ワールドの面白さたっぷりの作品あったでしょうに。

東海道戦争」(筒井康隆ハヤカワ文庫JA)読んだ。

何故か復刊版があまの商品紹介に無い。何でやねん。
ある日目が醒めたら戦争が始まってた、どうやら東京と大阪で戦ってるようだ・・・という「東海道戦争」をはじめ、めっちゃ戦ってる。
隔離されてる間に暴動が起こったり自分以外の人間が滅んでたり、んでロボットと喧嘩したり。
そういうのがザ・SFって感じがする。
「しゃっくり」は時間がしゃっくりしてる、って事か。
「お紺昇天」は心温まる筒井さんである。
機械だろうが何だろうが感情はあるんだ。
論理が違うだけで。其れは文化の違いでもあるのかも。

しかし小説として描かれるリアルとは違うリアリティをひしひしと感じながら筒井さん読む事になるとは思わなんだ。
東海道戦争」の

「うん、本当のオリンピックは、次元の違う世界で行われたのかもしれないな。それがこの世界に投影されただけの、まったくの幻影だったのかも・・・・・・」(p.39)

とか。
此れはツイで話題にもなってたような気がする。
戦争を見世物にしようとするとか。対立煽ってわあわあやるってのが。
「堕地獄仏法」の言論統制というか”言いたい事も言えなくなる世の中”とか、洒落んならん。
「マスコミが自由すぎると混乱が大きい」「大衆って奴を、そんなに信じていいのかね?」とか、オエラ方でそんなん言うてる奴居てそう。
自由さをお互い認め・・・られなくても「あんたはそう考えるんだな」と認識するんじゃなく、合わなければ叩く都合悪ければ叩く。
まだやり返せてるけど、其の内自動小銃ぶっぱなす事になっちゃうんだろうか。
もっと陰湿なのかもしれないな。
此れらが書かれたのが1970年代っていう。
先見の明ありまくりというか、モノは変わっても人間は変わらないというか。

・・・って感じさせるのも筒井さんのお書きになるリアルの成せる技、過去の筒井さんの仕掛けた罠だったりしてな。
ははは。
だったら面白いのに。

どうでもいニュース:
「便利通信社」からの「便通」はわろた。