社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

約束の果て―黒と紫の国―

ドンブラザーズ、終わっちゃった。
だらだらだけど甲子園中継で時間変更になって見逃した以外はだいたい観てた、「雉野大丈夫か」等気にしたりツッコミ入れたりする程度に楽しんでいた。
「ほんまに終わるんか?」って思ってたけど、見事に終わっちゃったな。。。

「約束の果て―黒と紫の国―」(高丘哲次/新潮文庫)読んだ。

どえらい小説、読んじゃった。
物語は伍州の考古学研究者が見つけた青銅器と其の証明の為に見つけた2つの文献を巡る話から始まる。
文献と言っても小説に偽史といった虚構の産物、記されている国も史実には残されていない。
どゆこと?
・・・という事で2つの文献「南朱列国演義」「歴世神王拾記」を読んでいく事になる。
そして考古学研究者の調査は其の子供や主人公へと受け継がれていく。
確かに帯にある通り「空前絶後のボーイ・ミーツ・ガール」ではあるが、其れが何処でどうなって主人公の行動と繋がっていくのか。
「私たちのこと、忘れないでね」とは。
中華ファンタジーみたいな感じだろうか、いや其れっぽいけどちょっと違う。
ただ一つ言えるのは、「小説を読む楽しみって、こういう事なんだな」という事。
以下ネタバレっぽい事書くかも。





登場人物の容姿について、絵ではなく文章だから「うおお!」ってなる。そう来たか。
青銅器が如何にして生まれたかは割と早いうちに分かる、だが其の頃には物語に惹き込まれている。
「南朱列国演義」「歴世神王拾記」の其其自体も面白いんだけど、じゃあどう繋がってくるんだ?と。
其其にボーイ・ミーツ・ガールが描かれていて、いつかは二人再会出来るんだろうとは思うけど、其処?そっち?そう繋がるの?
2つの文献が出会う所でまたすれ違う。イーッ!イヤーッ!
ほんと、僅か5メートルという距離が繋がらない・・・。
其処を繋ぐのが研究者から思いを受け継いだ主人公っていう。
二人を繋いだ時、何故其の文献が書かれたかが解る。
鳥肌モノでした。
力技かもしんない、でも此処まで3つの物語*1を追っていってると、もう「こまけぇこたぁいいんだよ!すげえよ!良かったな!」である。
迸るクソデカ感情。
何故「黒と紫の国」なのかも最後らへんで解る。うおお。
1つ1つの物語も其其に面白い、でも其の繋がり方、絡まり方がすげえなぁ、どえらいもん読んじゃったなぁ、と。

*1:文献2つの物語と主人公が繋ごうとする物語で3つ