社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ファミリーランド

「ファミリーランド」(澤村伊智/角川ホラー文庫)読んだ。

奈良にあったよなぁ・・・あれはドリームランドか。
今ならネバーランドでも健康ランドでも良いな。
思い出した、ファミリーランドは宝塚だ。
・・・という謎テンションじゃなきゃ読めないよお!
1つ目がクソトメネタらしいぞ・・・と思うだけで読む手が重くなる。
以降もえぐい、怖いというよりえぐい。
さばさばしてるのにえぐい。さばえぐ。
登場するシステム・アプリは2022年の感覚で読むといい感じに違和感が無い。
傷病者監視アプリケーション「おみまい」とかありそう。
50年後に読むと「あー如何にも”平成・令和”っぽいネーミング、システムやわ」ってなるのかもしれない。
其れは其れで面白そうだ。
科学技術が発達しても、結局人間の歪さは其の儘なのかもしんない。
科学技術が補正してくれそうもない。
描かれる”登場する人間達の考え方”のスタイルは科学技術によって今とは違うけれど(そういうとこがまた生生しい)。
以下ネタバレあり。
電子版の特典気になる。





1作ずつ話をする。
・コンピューターお義母さん
同居じゃない&施設に入れても遠隔で嫁いびりする姑・・・ぞっとする。
死んでも解放されないとは思っていたが!
逆手に取る嫁もいるのかもしれない、ごく僅かに。
・翼の折れた金魚
薬で知能の高い計画出産児を生む、使わずに産めばデキオ・デキコと蔑まれる時代の話。
見た目で判断出来ちゃうから怖ろしい。
そして「飲んで産んだらお終い」というママの登場。
其処は箪笥じゃなくて水槽でしょうよ。衣類ケースだと密閉しちゃうし。
箪笥も良い箪笥だったら密閉度高いんだっけ。
どんな子に育つやら・・・。
主人公の子供は既に諦念を覚えている。なまじっか知能高いもんで。
・マリッジ・サバイバー
カルト・スピに嵌った母親に育てられた男が結婚しようとマッチングサイト(国が支援!)を利用する話。
つっらー
登録するのも大変だが、成婚以降が。
便利っちゃー便利なんでしょうけども。
トンデモから生還しても其の先が一層困難っていう。。。
・サヨナキが飛んだ日
「マリッジ・サバイバー」の後の時代の話。
マッチングサイトが閉鎖され、科学技術が発達して小型ロボットが発達している。
新しいツールを使いこなす若者とついていけない年寄り、或いは新しいツールによって変わる人間の話
・・・で済まないから澤村さんでしょうに。
テクノロジーでは解決しない問題は、此の時代にも変わらず残っている。
・今夜宇宙船の見える丘に
介護問題。そして宇宙船がやってくる話。
だからお父さんは非人道的なケアフェーズのレベルを上げようとしていたのだろうか。
・愛を語るより左記のとおり執り行おう
パラダイス銀歯。。。
其れはさておき、ヴァーチャルなお葬式を挙げる時代に敢えて「昔のちゃんとした葬式」を挙げようとする家族と取材する人達の話。
ええ話。。。
他が”さばえぐ”過ぎるからさ・・・一応一連の物語のラストは胸糞悪くなくて済むのか。
人によっては「えぐう・・・」ってなるかもだが。

B'z、WANDSパロなタイトルわろた。
と思ったら全部歌のタイトルを捩ってあるようだ。
「マリッジ・サバイバー」だけ解らない、ドーパンの「Beautiful Surviver」しか浮かばん。
ググったらどうも「LOVEサバイバー」のようである。
<参考・引用>の「MALICE MIZERはなんじゃろ。
違う意味で二度読み必須(なんでやねん)。