社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

SFにさよならをいう方法

お手紙、拝読致しました。
あれから半年どころか1年半近く経ちますが相変わらず、もしかしたら一層酷くなっているのかもしれません。
切れ味のよい鋏はまだ世界地図を切り離す事を止める心算が無いようです、今も人を人を切り離し続けている。
只のウイルス、COVID-19という感染症でしかないのに、”COVID-19”という”意志を持った存在”のように思われてなりません。
所詮人間が解り合う事、自分と意見の異なるモノの存在を認める事すら出来ないという事を人間達に叩き込む為に現れた存在。
その存在と闘うなり和睦を図るなりすべきところ、私たちは足の引っ張り合いをしている。
恐らくそれが狙いなのでしょう、奴らの。
でも私の大好きなバンドマンが「夜明けは近い」と仰っていた、それも強ち間違ってはいないのではないか?と思います。
そう思いたいだけかもしれません・・・。
この手紙を書く今は第5波も落ち着いたようです、ただ私の住む神戸の感染者が少し増えたのが気懸りです。
新型コロナ禍の世界が、飛さんかどなたかの小説だったら良かったのに。
現実社会のニュース見ながら「虐殺器官」「天冥の標」を思い浮かべたくはありませんでした。
小説、特にSF読む事が心のワクチンとなって、現実を受け止められるようになれたらよいのに。
残念ながら、そんな想像力も鋏で切り刻まれてしまっているようです。

・・・って、ああーっ。
「半年後への手紙」へのお返事書こうとしたけど自分には難しかった。
「SFにさよならをいう方法 飛浩隆評論随筆集」(飛浩隆河出文庫)読んだのです。

単行本版「ポリフォニック・イリュージョン」の第2章以降、評論・エッセイに対談、果ては手紙まで。
単行本には収録されていない、直近の文章も収録されている。
其の時の感想↓
sociologicls.hatenadiary.jp
其の最後に「半年後への手紙」が掲載されているのだ。
他の人が読んだらどう考えるだろう?
此のエッセイ含め、評論も随筆も短編小説のようだ。

読みたい本がまた増えた。
飛さんの作品もまた読み直さねば。
前よりはもうちょっと、解像度を上げて読める筈だ。
評論の筈である、解説の筈である。
なのに小説同様、ぬるぬると自分の身体に入り込んでくるのだ。
怖い・・・のに物凄く気持ち良い。
其れがまた怖い。

まだまだSFにさよならはいえません。
いわなくていいんだ。

どうでもいいニュース:
ところで最近は「小説を音楽にする、音楽を小説にする」を打ち出した作品・コラボが次次と出てきているが、ああいうのは飛さん的にどうなんだろうな。
打ち出す迄も無く、飛さんの作品には音楽が取り込まれているので。