ツイッタランドのTLに流れてきて面白かったから読むよシリーズその2。
そういえば図書館で本借りる時に「貸出票」を挟まれるんだが、返す時は挟んだままでええんやんね?
要らなかったら外して返すけど。
あと複数冊借りて、その一部だけ先に返す場合、どのタイミングで挟んでおいたらよいのだろう・・・。
- 作者:六車 由実
- 発売日: 2012/02/27
- メディア: 単行本
介護民俗学というのは、いいアイデア、いい学問だと思う。
”回想法”というケア方法があるそうだが、予め設定されたテーマに沿って話を聞く、グループで行う(同じような体験を語り合う事で共感・刺激があるため)、内容よりも参加状況等言葉以外に関心が向けられている。
介護民俗学は内容にフォーカスされている。「知りたいから聞く」という感じ。
テーマから脱線してもそのまま聞いていく。
一体何の話をしているのだろう?と聞き進めていくと、聞き手を我が子・嫁のように感じてアドバイスをしようとしていたり、関係ないようで実は繋がりのある話をされていたりするのだそうだ。
民俗学者はフィールドワークの経験を積んでおられるから、介護・医療の方とはまた違う聞き方しはるやろし、そもそも話を”聞く”プロである。
民俗学者にとっては、生活していた方の生の話を聞ける。
資料として残されていない、忘れ去られたような話。既に無くなってしまったものの話。
介護される側も話しやすいかもしれないし、聞いてくれるのが嬉しいかもしれない。
方法に縛られるより、「知りたいです!」と1対1で驚き、わくわくしながら聞いて欲しいよね。
タイトルの“驚き”って、そういう事か
介護される側にとっていい刺激になるなら、介護する側にとっても良さそうである。
人手が限られている現場では難しいと思うが・・・。
物凄く時間も手間もかかってそうである。辛抱強さも必要そう。
刺激与えようとして予定調和崩してしまって戸惑われる事もあったとか。
(著者は最後に聞き書きした話を「思い出の記」として纏め、ご本人やご家族に渡しておられるのだそうだ。良い思い出になるけど大変そう・・・)
大学で介護を学ぶ人だったら、民俗学についてのノウハウを学んでいてもよいのかもしれない。
実際、著者がデイサービス利用者から聞く話というのが、他人である自分が読んでも面白いのだ。
電話交換手の話、お金に困る事は無く自由そうだけど苦労されてきた話、お舅さんがドブロクを作っていた話・・・等等。
この本は実例を上げながら介護民俗学という”手法”を説明されているが、聞いてこられた話の数々も読んでみたい。
どうでもいいようでそんなことはないニュース:
この本は医学書院の「シリーズ ケアをひらく」の1冊なんだが、どの本もすっげー読みたくて悩ましい。