社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

神に追われて 沖縄の憑依民俗学

電子レンジ使うとスピや陰謀論の奴がキャーキャー言いそうな音がする。

「神に追われて 沖縄の憑依民俗学」(谷川健一河出文庫)読んだ。

神ダーリした方がマジムンと闘ったり先祖神の指導を受けたりしながらカンカカリヤとして生きていく過程を描いたノンフィクションである。
琉球奇譚」シリーズで触れてきたのとはまた違う視点である。
普通に暮らしている中で神に見いだされ・・・追われて、逃げられなくなった時に魂を譲り渡す。
そうやって神の道を開く。
開いたからって楽ではない。
好きな仕事をする、好きな男と暮らすという世俗の楽しみから外れてしまう。
神様の指示に従って行動すれば、周りからは頭おかしくなったと思われる。
キレイ過ぎてはいけないらしい。
其の過程で出会うカミンチュがちょっと酷くて地味に俗に塗れてなくね?だった人、祓って欲しいのにユタまがいの事をやらされる人の話もある。

神ダーリからの一連のあれこれは本人を試すのではなく、其れ自体が修行のようだ。
そう簡単には神と関わっていく事は出来ないと思うが、あまりに厳しすぎないか。
厳しいのは良いとしても、胡散臭い奴らをどうにか出来ないもんなんだろうか・・・人間にはそこらへん理解しづらい。
神様の道理みたいなんがあるんやろね。

著者はキリスト教的な考え方からも考察されていて、其れが面白かった。