社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)

イッタランドのTLに流れてきて面白かったから読むよシリーズその1。

「江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)」(高田衛筑摩書房)読んだ。

江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)

江戸の悪霊祓い師(エクソシスト)

文庫版あるじゃーん「累」から始まる、祐天上人の話である。
お坊さんだが「今こそ仏の霊験が必要なとき、それに応えぬ仏であるならば、自分は外道となっても仏教に敵対せん」とまで言って祓う、という。
強えわ。
一方で憑いた霊や憑かれた人とも話をし、その原因となった人にも「手を合わせなさい」と諭す。
というか”説話”として残されている(少なくとも此の本で紹介されている)話は、単なる悪霊祓いではなく、男の事情で命を落とす事になる女性・子供を救済するもの、と言える。
多くの女性達を救済してきたのも事実だし、”説話”として残っているという事は読み手である一般庶民にもそういう需要があったんかな。
霊力云々だけじゃなく、”仕組み”として必要とされていたのかも。
実効性もだし、”人の気持ちの置き所”としても。
そういう人をも幕府に取り込むってのが凄い。
将軍や大奥の方も帰依していたとかどうとか。

とか難しく考えなくても、其其の話が面白かった。

どうでもいいニュース:
そういえば”妄執”の”妄”の字に”女”と付くな。