社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

神さまのビオトープ

実店舗がお休みならネットがあるじゃない、なのだがe-honもhontoもGW注にポチったのが出荷時期未定。
致し方無いが、雑誌大丈夫かな・・・とちょっと心配。

「神様のビオトープ」(凪良ゆう/講談社タイガ)読んだ。

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

すみません、前回からちょっと間が空いてしまいました。
sociologicls.hatenadiary.jp
立て続けに読む感じではなかったもので。そんな軽やかなもんではなかった。

主人公うる波は交通事故死した夫・鹿野くんと暮らしている。
基本的に鹿野くんはうる波にしか見えない、生前と同じように絵を描き、煙草を吸い、ご飯を食べる。
但し物理的には影響しないので、ご飯はそのまま残り、うる波が食べる事になる。
彼らに関わってくる子達の、愛の物語。
”愛の物語”というには少々残酷ではある。
それぞれに自分勝手で。
(そうじゃないのは秋くんくらいじゃないだろうか)
自分が”そう”ある為に他人を利用する。
自分の気持ちを貫き通すのと、貫く事で他人を傷つけないのとは両立できないのだろうか。
できているのがうる波と鹿野くん、西島さん夫妻、なのかな。
そこまで単純な話でもないか。

 自分の常識からはみ出す人に、心配という大義名分で気軽に引っ掻き傷をつける人がいる。言ったほうには特に悪意がないから余計にタチが悪い。

 本当にそうだ。わたしはわたし。あなたはあなた。適当に楽しくやりましょう。そんな感じだったら、みんなあまり悩まず楽に呼吸ができるのに。だいたい、あなたのためにという言葉は頑固で、真面目で、自らの信念に満ちすぎていて始末に困る。

それな!
もしかして凪良さんのお書きになる作品の根底に流れる大テーマなのかな、これ。
好きだという人に「何処が好き?」って問うたら、大半の人が此処だと言うと思う。てか自分がそうだ。
エピローグの最後の最後まで気が抜けない、のも。