凪良ゆう「流浪の月」、BLじゃないとこからも出してはるんやねちょっと気になるー、と思ってたら「本屋大賞」。
おおう!
友人が凪良さんのファンだった筈、すごい喜んではるやろなぁ。
・・・と思ってたら「読む?」と送ってくださった。
「流浪の月」以外にもう2冊。
読む順番もお勧め頂いた。何て親切な!
ありがとうございます。お菓子爆撃はまだありますので暫しお待ちくだされ。
という事で、まず「すみれ荘ファミリア」(凪良ゆう/富士見L文庫)読んだ。
- 作者:凪良 ゆう
- 発売日: 2018/07/14
- メディア: 文庫
同じ作者の本、前に読んでいる。ドラマティックだけど比較的ふんわり読めた。
sociologicls.hatenadiary.jp
(今エントリ読み返すとあんまり良いように書いてないゴメンナサイ・・・実は秘かに気に入っている)
これも軽めで・・・と読み進めていたら後半一気に重くなる。これ富士見L文庫ってマジ?ってくらい。*1
いい物語を読んだ。
以降ネタバレあり。
おんぼろ下宿「すみれ荘」の大家代理兼管理人の和久井一悟と下宿人の物語。
色々あって作家・芥一二三が入居する事になったが、”外側”から来た彼の言葉で下宿人達一人一人の秘密が暴かれる、のか。どうなのか。
(表紙の意味がちょっと解ってくるような・・・)
心温まる再生の物語・・・のようで狂っている、というか歪な愛。
”誰かの為”と言いながらも、とどのつまりは”自分の為”である。
好きなら好きでいいじゃない、何で独り占めしようとするんだろう。
相手を慮っているようで見下すし、愛しているようで傷つけている。親子だからって良い関係が築ける訳じゃないし”一人の人間”が剥き出しになってしまっても決しておかしくない。
すっきり解決する訳でも、改心する訳でもない。
だけど、読んできて最後、ほっとする。落ち着く所には落ち着いている。
人が好すぎるくらい好い一悟の人柄の所為だろうか。
此処まで好すぎると、人の心の歪さや見苦しさを見なくて済むのかもしれない。
世の中の人すべてがわかり合い、許し合えるなんてのは幻想だ。だからといって希望を捨てることはない。
正にそういう物語である。
わかり合えないし許し合えない、でもそんな”グレイゾーン”があるから成立できる人間関係もあるし、何とかやっていける。
其処を無理矢理に決着つけて「めでたしめでたし」なんて、おめでたすぎるし、ちょっと息苦しい。
願わくば、一悟(と咲良)と央二が幸せでありますように。
どうでもいいニュース:
ここまでがっつりPMSについて取り上げている小説も珍しいのでは。つらい人はつらいのよ。。。