社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ロボットとわたしの不思議な旅

朝、体温測っても36℃を切る季節になった。
今シーズンは計り直しても切ってる。。。

「ロボットとわたしの不思議な旅」(ベッキー・チェンバース、細美遥子:訳/創元SF文庫)読んだ。

ロボットが自意識を持つようになり、人類とは別別の地域で暮らす世界。
コオロギの声を求めて、修行僧(シブリング)デックスは喫茶僧として旅に出る。
喫茶僧とは悩みを抱える人にお茶を淹れて安らぎを提供する仕事である、なんかいいなぁ。
お茶はハーブティのようなものらしい。
其れでも足りなくて、人里離れた修道院を目指す事にした、其の道中出会ったのがロボットのモスキャップである。
ロボット達はそっとしておいてもらいたい、しかしモスキャップは「人間は何を必要としているのか」を知りたがっている。
二人(?)は修道院を目指し、更に其の先、人間の住む街へ旅してゆく。
モスキャップは経験を積み、本を読む事で知識を重ねて、デックスと話をしていく。
「生き物はすべてただ存在しているだけで許されている」のだけど、生きて暮らして他者と関わっていくうちに其れだけじゃ済まない、他者の為に何かをしなければならない、責任がある・・・と考えるようになってしまう。
其処から如何に解放されていくか、という物語なのか。
今迄ひどい物語を読んで来てしまったので、解放されていくと見せかけて実は世界の在り様がひっくり返るような事態になるのでは、何故ロボットが自我を持って人間から分かれて暮らすようになったのか壮絶な過去があったんでは、みたいな事を想像しながら読んでしまった。
そんな事は無いので安心して読むと良い。
此の儘ずっと旅を続けていって欲しい、終わりが見えてくるのがとても寂しかった。

「わたしたちがここにいるというだけでいいのだとしたら」という、”辿り着くべき場所”に辿り着いたような、でもまだまだ旅は続くのかも。