社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

プラスティック

今回のオリンピック、何のかんの言った所で欧米人の驕りだったような・・・。
アスリートを考慮するより、「ワシら優しい!意識高い!ドヤ!」という。

「プラスティック」(井上夢人講談社文庫)読んだ。

ある人の家のドアポストに入っていたフロッピーディスク
中身は出張中の夫の帰りを待つ主婦の日記・・・だが不穏な。
そして起こる殺人事件。
ミステリーなんだけど、主婦のアイデンティティが揺らいでいくのがホラー的でもある。
トンチキすっとこどっこいな箇所もあるにはあるけど、読んでいて妙に納得する。
ミーハーなもんで「本屋大賞超発掘本」だったんで買った。
井上夢人の「ラバー・ソウル」は読まなきゃなぁと思ってたし。
超発掘本が売れる方が面白くないですか。
本屋大賞ってだいたい既に売れてる本だ、既に売れてるならそりゃあ店員さんだって売りたいだろうよ。安心だ。
だけど自分が本屋大賞に求めていたのがこういう超発掘本の方、めっちゃ昔に出た本を「面白いから今お勧めするよ!」っていうスタイル。
「プラスティック」がちゃんと選ばれて再び(何度目か?)本屋に並んで読まれて良かった。
以下、ネタバレあり。





読んでたらだいたい解る。
多重人格なんだろうな、と。
そっちとそっち、こっちとこっちが多重人格なんだと思ったら、お前もかーい!の連続である。
出会った人間の影響受けて人格が生まれてしまう。
”役割”被ってる人おるような・・・。
そして「じゃあ元(?)の人格は一体誰なんだ?」ってなる。
あと殺人事件の方も。
実際に起こってるのか、脳内の出来事なのか、其れも気になった。
プラスティックって、可塑性の方だったか。
フロッピーでプラスティックって訳じゃないだろうし、とは思っていた。
なんかSFチックなオチでもあるのかと。
人格も可塑性ある・・・のかな。
そうあって欲しいラストである。