社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

文庫版 地獄の楽しみ方

「文庫版 地獄の楽しみ方」(京極夏彦講談社文庫)読んだ。

単行本の表紙も良い。驚愕のうっすうす京極夏彦

MYノギスで測ったら6.7mmという数字が出た。
自分が買った文庫本の中で一番薄いんじゃないだろうか。
勿論自立しない。
でも内容はごっつい分厚い。67mm分以上あるぞ。

京極先生の「地獄の楽しみ方」とは何ぞ?って、10代向けの特別授業の纏めである。
「言葉は通じないんです。」って、小説家が言っちゃうっていう。
凄いな。
「叶う夢は夢じゃない。現実、夢は叶わない。愛も夢も絆も目眩しに最適。」と、10代に叩きつける京極先生最高である。
で、京極先生の本なのでページ捲る時に文章が渡らないし、大事なところがだいたい見開きの左右にある。
一番右にバーン!とあるんだ!と思ったが、ぱっと見て解りやすい。
言葉について、勝ち負けについて、整理整頓について・・・と拾い上げても其の全てではない。
平たく言えば
・文章、文字、言葉はあてにならない、通じ合っているようで通じているのか分からない。疑う、よく考えてから反応する
・語彙を増やす、使いこなすわざを身につける、やりたくないことをできるだけやらずに済ませる、きちんと手の届く目標を持ち、自分の人生に勝ち負けを持ち込まない
・言葉を使って楽しく生きていきましょう
という事が書かれている。
・・・て自分は此のおばか日記に書き残しているけど、其れだって定かじゃない。
他の人が読めば全く違う事が書かれているのかもしれない。
「愛という言葉は便利で危険だ」って栄純が言いそう。スピスタに此の本お送りしようかしら。困るか。
「捨てればいいというのは思考放棄。買ったものはだいたい要るものだ」は目からウロコのパンチドランカーだった。
「神様の前でするのは決意表明、お参りは自分がいかに真剣かを神前で表明するため」というのは丁度此の前そういう話をTwitterでしていたところだった。
祈るだけでは変わらないけど自分を変えることは出来るのだ。
でも「お願いしたんだから叶えてクレクレ」ではない。

最後のQ&Aもためになった。
「理不尽な勝負を挑まれたら、どうすればいいですか?」という質問について、「挑んできた相手のルールに合わせてやる必要は無い、其のルールが無効化するような状況を現出させてやれば、自然消滅せざるを得ない」と答えておられる。
「虚実妖怪百物語」の最後の戦い方に通じるような気がした。
プライド見極めて無効化。
ふむふむ。

だいじなニュース:
出るんだなッ!?