社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

いっぴき

友人と「春を感じる時」について話をしていた。
自分の場合は具体的に何かは分からないけど「高校入試合格発表見に行く日の匂い」みたいなのを検知した時に「春やなぁ」と感じる。
丁度、昨日検知したとこである。

「いっぴき」(高橋久美子ちくま文庫)読んだ。

チャットモンチーのドラムだったが、脱退して現在は作家・作詞家のくみこんのエッセイ(と小説1編)。
チャットモンチーは一度だけ心斎橋のクアトロで観た。
クアトロの次がいきなりZeppだったか、勢い凄いなぁと思ってたら「シャングリラ」がどーん!だったような。
詩を書く/書き続けてきた切っ掛けの話等、チャットモンチーの歌詞の何となく漂う虚無・刹那感の秘密がちらっと見えたような。
あと曲の生まれ方、「セッションで作っていく」方式だけど独自性がある。
「シャングリラ」はバンドでやったけど、「歌に専念出来てよかった・・・」と思う位、楽器隊がややこしかったんだが、ああーってなった。
あの3人じゃないと難しい、きっと。
其れは後後参加する、各地で活躍してはるようなミュージシャンにとっても難しかったんじゃないだろうかと思った。

作家とは伺っていたが、じゃあ具体的にどんな作品書いてはるのかは存じ上げなかった。
小説・エッセイに留まらない、”言葉”を扱うなら文字・活字を越えた作品を発表してはった。
アーティストの勢いの凄さよ。
「え、其処が膨らむの・・・?」というエッセイもあったけど。
如何にも愛してます愛があります!が前面に出ない、「誰といるよりも居心地がよく無意識でいられる仲間」っていう旦那さんとの関係性、いいご夫婦やなと思う。
こういう夫婦の有り様が認められていったらいいのにな。
色んな人間や人間関係の有り様があって良い筈なのに、結婚に関してはせまっ苦しいじゃん?

多分くみこんは今後幸福感で満たされる日が来たとしても詩を書き続けはると思う。
満たされたと感じるけど其れは本当なのか、まだまだ満ち足りない、もっと違う満ち方があるんじゃないか・・・って。

旅の話が面白い。
勢いすげーわ。
旅する人がスマホいじってて会話が・・・みたいな話もあるが、スマホがあるなりの交流の楽しみ方はあるのでは?と思ったり。
クロアチアでホストファミリーに日本料理を作って御馳走した時にお味噌汁が甘い、という話があるが、「美味しい」と仰っていたという事は、クロアチアの方向けに甘味を増したお味噌だったんだろうか。