社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

マタギ奇談

TLには自分と合わない意見も流れてくるが、最近は「合わないなりに仰る事は分かる」が少なくなってきたように見える。
「其の言い方だと寧ろ反発したくなる」「陰謀論紙一重」みたいな。
其れだけみんな余裕が無いというか荒れてるというか。
自省も込めて。

マタギ奇談」(工藤隆雄/ヤマケイ文庫)読んだ。

マタギの方方の体験された話を取材し纏めた本。
”奇談”とあるけど怪談的な話とはちょっと違う、だけどしっかり”怖い”話である。
山中を縦横無尽に駆け巡る事が出来る人、という事で雪男探索しにヒマラヤ迄行かれた方もあったそうだ。
大変である。
クマとの話が多い。
マタギのいらっしゃる山で生きる、というのはクマと生きるという事なのか。
クマってただ強いだけじゃなくて子供守るために人間の目を欺いたりして賢い。
其れが怖い。
単純にぶッ殺せー!じゃないのは、狩るけどもクマへの敬意もあるのかな、と思った。
「獲物が来た途端心を鬼にする、心の中に鬼がいなければマタギはやれない」というのも凄まじい。
(だから節分の時は「鬼は内」しか仰らないそうだ)
クマだけじゃなく山という自然自体が恐ろしい大きな存在だから心を鬼にする位じゃないと生きていかれないんだろうな。
縁担ぎも凄い。そうする事で気を引き締めて行くのかな。
単なる迷信じゃなくて理に適ってる。
神様への敬意を示すと共に、自然を軽視したり後後の資源を枯らしたり命を落としたりしないようにする約束でもあるんだろう。
両方。
SDGsだのなんだの言うよりもうんと昔から、SDGs実現してはったんやね。