社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

貧乏サヴァラン

昨日は土用餅を買いに行けなかったのも悔やまれる。

「貧乏サヴァラン」(森茉莉、早川暢子・編/ちくま文庫)読んだ。

hontoの企画「華麗なる読書 カレー1食の時間で読める本のガチャ」で買った。

・小説~カレーのようにコクと深みを感じる短編
・ミステリー、ホラー~カレーのように刺激がやみつきになる短編集
・エッセイ~カレーのようにスパイスが効いたエッセイ

と3つあるうちのエッセイを選んだ。

「貧乏サヴァラン」ってお菓子のサヴァランかと思ってたら、美食家のブリア・サヴァランだった。
買い忘れたダイヤ氷から愛飲する紅茶や平目の刺身の話・・・等と、果てしなく広がる。
なんか無茶苦茶である。
面白い方だったんだなぁ。

一方で「二人の悪妻」が切ない。
元・旦那さんの友人達は結婚中は「一人の暢気な奥さん」として扱っていたのに、結婚生活最終期や離婚後の元・旦那さんの話によって「悪妻」と言われるようになった・・・とある。
元・旦那さん側にも色々思う所はある、というかよく結婚しはったなぁ・・・と思わなくもない。
友人達も思う所がありつつ我慢してたのかもしれない、でも「手の平返した」ように思わせるっていうのもなぁ・・・と。

「私の道楽」で「白鶴少々でざっと煮る」は、あの日本酒の白鶴!?
と思ってググったらそうらしい。
白鶴酒造の方が大喜びで「私の道楽」の正に自分が読んだ下りをインスタで紹介してはった。
(もし著者が今いらつしゃったら驚かれるだろうな)
支那風のフルウツ・ポンチ」は寒天で固める方の杏仁豆腐だろうな、だとしたら杏仁の香りもしそうである。

エッセイ自体は非常にパンチがあってスパイシーなんだけど、欧風カレーって感じの作品である。
福神漬けの添えられたご飯と別に、ルーが専用のあの銀の器*1に入って供されるような。
飲む用と別のグラスに水が注がれてて、スプーン入れる度にウェイターが交換しにくるような。
紙ナプキンが三角に折られてるような。

其其、何時頃書かれたエッセイなのか知りたかった。
時代背景が見えると、より興味深く読めるかと思って。

カレー1食ではちょっと時間足りないかも。
単に食べるのが早いだけかも、だが☆〜(ゝ。∂)

どうでもいいニュース:
「私の道楽」で書かれていたのを作ってみた。

めっちゃいい牛肉薄切りがあったら、また作ってみたい。

*1:「グレイビーボート」「カレーソースポット」と呼ぶらしい