社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

楽園とは探偵の不在なり

年賀ハガキ買ってこなきゃ。
うっかりしていた。

「楽園とは探偵の不在なり」(斜線堂有紀/ハヤカワ文庫JA)読んだ。

二人殺したら天使が地獄送りにする世界、なので連続殺人出来ない筈(二人目殺したら自分が地獄に送られるもんね)なのに連続殺人が・・・という話。
殺意が無くても人の死に手を下す羽目になれば地獄送り。此れポイント。
天使と言ってもあんまり可愛くない、気持ち悪いが一部でウケそうなヴィジュアルである。
謎を解く探偵は過去に色々ありそう。
特殊設定ミステリーって初っ端からトンチキでずるいなぁ、でも面白かったらヨシ・・・と思って読み始めた。
連続殺人言うても、一人一殺で立て続けに殺人出来るんちゃうん?と素人は思うのである。
・・・そんな場合じゃなかった。
・二人殺して地獄行きなら、一人迄なら殺していいのでは
・二人殺して地獄行きなら、纏めて沢山殺すべきでは
という世界。
悪意の先鋭化とは、想像の斜め上を行く
って此れ、もしかしてミスリード仕掛けてる?
落とし所はあるのか、あるなら何処へ落ちる?

割と正統な感じのミステリーである。面白かった。
今だからいうけど、同じ作者の「詐欺師は天使の顔をして」は特殊設定の扱いがちょっと狡いわ・・・と思うとこもあった。
今回はそんなとこはなかった。
天使のトリックとしての扱いも見事だし、みんな助手になりたすぎ!というツッコミポイントもあるし。
常木、なかなか悪趣味である。そりゃ殺されるわ。
ちゃんと悪い奴が殺されるとこもポイント高い。
・・・という感想もどうかと思うが。

謎は誰かが解かなきゃいけないからねぇ、そういう意味で探偵は必要なんだろうと思うよ。
此の作品の世界にも。

ミステリー其の物が厭じゃなかったら読んだらいいよ!