社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

東欧怪談集

図書館と本屋行った帰りに大学生の集団に遭遇した。
もうテスト終わって夏休みなのかと思っていた。
1回でバス乗れない。
こういうご時勢なのもあるだろうけど、ギャアギャア騒がずテキストやスマホ見ながら無言で待ったり乗ったりしてるのは偉い。

「東欧怪談集」(沼野充義・編/河出書房文庫)読んだ。

前から気になっていたが、例によって今年の河出文庫グランドフェアに釣られた。今回はマステ!
「イギリス怪談集」よりはもうちょっと最近の作品が集められている。
とはいえ初版が1995年、編纂作業は東欧革命直後に行われていると思われる。
(因みに同時に編纂を依頼されたという「ロシア怪談集」が1990年との事。こちらもいずれ読みたいと考えている)
そういう怪談集を今読む事になるとは。
ウクライナ侵攻や其れに纏わるあれこれで、東欧の物語が失われたり封印されたりしていなければよいがと思う。
ロシアの作品も1つある。
あくまでも怪談、幻想的な作品であってもプーが「気に入らん」と言えばどうなってしまうのか解らない。

ウクライナは無いが、ポーランドチェコ、スロヴァキア・・・と色んな国の作品が集められている。
登場する怪異・怪物も物語も様様。
出会って懇ろになった人が実はとうの昔に死んでいた、というのは国や地域、文化を問わないのかな。
「吸血鬼」という作品がチェコマケドニアと両方あるが、どちらも現れているのは死神っぽい気がする。
血を吸わないけど死者が蘇ったら吸血鬼扱いなのかも。
(原語だとどうなんだろ、ニュアンス違ってくるんだろうか)

あとポーランドの「笑うでぶ」(ムロージェック)すげえなあ。
身も蓋もないタイトル、そして地味に不条理。
怖いというより不思議系の実話怪談にありそう。