社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

こわいもの知らずの病理学講義

「こわいもの知らずの病理学講義」(仲野徹/晶文社)読んだ。

「病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話」で触れられていて興味を持った。
ガチの病理学講義を近所のおっちゃ・んおばちゃんに読ませる心算で書いた・・・という本である。
ヤンデル先生の本で紹介されていたのは「病理医というのはこういうアプローチをするんですよ、病気というものをこう見つめているのですよ」という内容が多かったように思う、此の本では「じゃあ其の中身ってどんなん?」というのが紹介されている。
兎に角面白い。
読む事が、知る事が楽しい。
一般教養の講義ってこんな感じだったような。
難しい内容なのに知るのが楽しい、脱線も含めて。
知ってすぐ役に立つかは解らない、でも何かの折りに役に立つ。きっと。

病理学で扱われるのは、がんが多いのだろうか。
がんについての説明がたっぷり詳しくある。
色々あるんだな・・・厄介である。
”がんもどき”のままではいてくれないのだな。じゃんじゃん増える。
伝染性のがんってあるのか・・・タスマニアデビルのがんだが。
噛みつく時に体内に侵入してくるらしい。
其れは其れでタスマニアデビルが進化して抵抗性獲得したり攻撃性の弱い個体が増えて噛みつく機会が減ったり(?)という進化によってタスマニアデビルの減少に歯止めがかかっているらしい。
人間はというと進化する代わりに、人間の体やがんについて知る事で薬や治療法を開発してがんに太刀打ちできるようになってきた。
(或る意味”進化”なのかも)
とはいえ「がんは運である」、だそうだ。
「治る」「怖くない」とは言い切れない、でも治ったり怖くなかったりするがんもあるとか。
うーん。
まだやっぱり怖いなぁと思う。
いずれは怖い怖いと思いつつも、上手く付き合っていく方法が見つかって実用化されていくんだろうな。

松原さん思い出した。
松原さんの闘いも、がん研究や病理学方面に活かされていたらよいが。

どうでもいいニュース:
著者のお名前見て「亜無亜危異!?」と思ったが、アナーキーは仲野茂さんだった。