社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

残像に口紅を

上向いても下向いても頭がふらあっとする。
いつもの目眩なのか、熱中症の目眩なのか。
水分をしっかり摂るようにしよう。

残像に口紅を」(筒井康隆/中公文庫)読んだ。

TikTokで超話題」って帯に書いてある。
有難い話である・・・が、局地的に超話題だったんだろうか?というレベルで自分の周りでは話題を見なかった。
TikTokで話題になっている」というニュースだったらたまに見るが。
(御本人はもうTikTokはやってはらへんのでしょ?インスタでも話題なんだろうか)

虚構は虚構として、「もしひとつの言語が消滅した時、惜しまれるのは言語かイメージか。」という事で、かな1文字分ずつ消えていく。
小説が始まった時点で「あ」が消えている。
「じ」と「ぢ」は同時に消える等、詳細なルールが小説として冒頭に示される。
主人公の妻・粂子の名前が消え、”妻”とギリ呼べる状態で優しくなれるとは、かなしい。
何故「残像に口紅を」なのかも序盤に出てくる、なんだか切ない。
そうやって消えていく言葉・名前を惜しんでいくのだろうか。
意外とシリアスで淡淡としたもんだ。

・・・で済まないから此の小説は面白い。

消えた言葉を考えるのも一興。
色々出てくるなーと思ったら次の節で消えたり。
上京して鼎談からの対談、文学賞披露大宴会の下りめっちゃ好き。
随分消えてからの文化講座での講演、よう喋りきったなぁ。
筒井さんだけどあんまりエ□ないのね・・・と思ったらやるこたぁしっかりやってんじゃんよ(笑)。

最後に「残像に口紅を」を分析して卒論書いた方の論文が載っている。
すごい。
むずかしいことはわからない。
「違反を根絶するには、消す音をパラメータとして指定して働くエディタ兼チェッカのプログラムを作って仕事をするのが良かったろう。」って、其処まで。。。
今なら実際に「残像に口紅を」エディタって存在してそう。

其れにしても各節のイラスト可愛い。

そういえばTikTokで知った人的に、どうだったんだろう、此れ。
特に普段あんまり本読まない人。

どうでもいいニュース:
読みながら引かれたひらがなをメモしていった。
「も」を書き忘れていた。