社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

偶然の聖地

Fit Boxing2のヒロ、cinemaの飯田にちょっとだけ似てない?
個人的にちょっとテンション上げてる。

「偶然の聖地」(宮内悠介/講談社文庫)読んだ。

登攀が困難で入境も困難、検索も出来ないイシュクト山を目指す事になった怜威の話、過去にイシュクト山に辿り着いて当人の望むものを与えられ、貴重なものを奪われた人達の話、時空の側がかかる精神疾患”旅春”を治す世界医の話、謎な密室殺人の話が行き来する。
其の行き来の合間にエッセイぽい話もあれば「この音を聞いた山羊は乳の出がよくなる」という雑学というか脚注に”実話”ってあるけどほんまなん?な話もあるし、アジア~中東らへんの旅の話もあればオブジェクト指向についてちょっと知る事が出来たりもする。
イシュクトに辿り着けるんだろうか、そもそも目指す事になったけど最終的にイシュクトに行ける事が目的だったんだろうか。
思わぬ所がイシュクトに繋がってるようだし、なんかメタな展開もあるし。
読むのめんどくさしんどそーだなー。
ところがどっこい、雑学的脚注スキーにはたまらない一冊であった。
「中野の森BAND」並みにガンガン入る。
なんせこのザマだぜ。
f:id:sociologicls:20211011223249j:plain
「ごめんなさい、言ってみたかった」とか、ふふっとなっちゃう。可愛い。
入り方やテンポが良いので、当初思ってた以上につるつる読める。
話もつるつる進む。
途中から虚数(だよね?)になるの、何だろう。対になってるんだろうか。
もっとぐっちゃぐちゃのカオス万歳\(^o^)/なのかと覚悟していた。
ハッピーエンドだしねぇ、多分。

「偶然の聖地」の外側の、今此の本を読んでる自分の居る世界だって、もしかしたら「矛盾や不具合に満ちみちている」のかもしんない。
此の作品が宮内さんによって書かれるという事象は、現実世界の仕様なのか、バグなのか。
決めるのは読む人間。
楽しいから良いのだ。

それにしても「修正すると全世界の唐辛子が辛くなくなる」、個人的には有難いが恐ろしいバグである。

どうでもいいニュース:
自分は「ここを消すと何故か~」には遭遇した事なかった。と思う。
正社員時代は”運用しやすさ”を徹底的に叩き込まれてたもんなぁ。
入れ子の中身は4字下げ!2字じゃ駄目!」とか。