社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

NOVA 2021年夏号

某オリンピックの福島赤べこピンバッジの為にいろはす買いたいのだが、聖火リレーのアレコレ見てげんなりして買いあぐねている。
「新コロも一部除いて落ち着かないし、オリンピックやめとかへん?ワシらスポンサーのイメージも悪くなってきたし」ってIOCに圧力かけてくんないかしら。

「NOVA 2021年夏号」(大森望・編/河出文庫)読んだ。

NOVA 2021年夏号 (河出文庫)

NOVA 2021年夏号 (河出文庫)

  • 発売日: 2021/04/03
  • メディア: 文庫
新コロ前の作品もあるし、超最近の作品もある。
外れ無し。びつくり。
此れだけ色んな作品があると正直「合わないかも。。。」というのは出てくる、だが今回そんなもんは無かった。

面白かったやつとか・・・って数作挙げて感想書いてたけど、全部面白かったので手短に全部書く。
・五輪丼/高山羽根子
もうこんな感じでそれっぽい合成した映像流して「めでたしめでたし」でええんちがうか。
今いま現在のこの時代の分断も、こういう感じなんだろうな。
・オービタル・クリスマス/池澤春菜(原作:堺三保
絵に描いたようなハッピーエンド、其れが今いま現在読むとほっとして心温まる。
クリスマス近くなったら、また読み返したい。
・ルナティック・オン・ザ・ヒル/柞刈湯葉
重めの柞刈さん。
設定のきめ細かさは相変わらずである(其処が好き☆)
壮大な物語の端っこなのかもしれない、でもそういう所にも物語はあるのだよ、人が死んでいくのだよ、彼らにだって感情も思いもあるのだよ、という。(其処も好き☆)
・その神様は大腿骨を折ります/新井素子
今回は”俺がんばるな”の神様。
直接じゃなくて一旦山瀬さんに話が行くんだなぁ。紹介する場合はアフターフォローも業務の一部だったのか。
ミルクティーというのがナイス選択。そのテがあったんだな。
・勿忘草 機巧のイヴ 番外編/乾緑郎
高等女学校の女学生と憧れの先輩達の話。
甘酸っぱい感じで終わ・・・らない。切ない。
「機巧のイヴ」読んでおけばよかった・・・ってか、此れから読む。
読んでなくても楽しめるのだけど、最後らへんは本編読んだ後だったら一層心に刺さったんじゃないかな。
・自由と気儘/高丘哲次
猫SF
猫と関わり合う事で”私”というゴーレムが色々学んでいくんだと思っていたが、そうする事も出来るのか。なるほど。
少しずつ猫の事を知って、思いを寄せていくとこがええなあ。
無脊椎動物の想像力と創造性について/坂永雄一
遺伝子組み換え蜘蛛が京都の街を蜘蛛の巣で覆ってしまう話と青春の思い出。
新コロみたい、だがもっとえげつない。
新コロのウイルス達も創造性だの想像力だの持ってやがるのかもしれん。
自らの建築物という作品が破壊されていくのは辛そうだが、実際その建物利用する人的に「凝ってるけど便利なん?」ってなってそう、と本編と関係ないとこで思ってしまった。
・欺瞞/野﨑まど
何となく何について語っているかは直ぐに解った。
ただ「あー。ほんと好き。」って言ってるの、ソレか!やられた。
・おまえの知らなかった頃/斧田小
おかーさん凄い。強い。つよつよ。
でもそうじゃないと生きていけないんだろうな。
”現在”から振り返るようにして語られていく(それこそ”お前”に対して語るようにして物語は進んでいく)が、「どうなるんだろう?」「何が何処に?」とはらはらする。
あと蟹虫、髄伴機等、出てくるモノに惹かれる。メカメカしたものを想像した。だから惹かれた。
・お務め/酉島伝法
毎日只管ご馳走を食べ、感想を伝える。診察を受ける。ネクタイを選ぶ。
選んだネクタイの柄によって世界が変わる・・・という訳でもなさそう、何となくこういう事?というのは解る。
いつかこの日常が壊れる、”隣の男”について解る・・・とはいえ、意外なほんわかしたラスト。
全然違うのに、新コロちょっと思い出した。

新コロ、作品を生む側も受け取る側も変えてしまったのかもだ・・・。

どうでもいいニュース:
此の後に「皆勤の徒」読み始めたんだが、「お務め」って何て読みやすい解りやすい小説だったんだ!