社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

よもつひらさか

好きなバンドが新たな試みをして、それはバンドのファンの夢が叶ったという事なんだけど。
何でモヤモヤするんだろーね。

「よもつひらさか」(今邑彩集英社文庫)読んだ。

よもつひらさか (集英社文庫)

よもつひらさか (集英社文庫)

  • 作者:今邑 彩
  • 発売日: 2002/09/20
  • メディア: 文庫
”生きてる人間が一番怖い”系ホラー。ホラーというかミステリというか。
よく“分かれる”短編集。人間だってぶった切って分かれる。
「ハーフ・アンド・ハーフ」とかそりゃあ見事に。左右なのか上下なのか。
すれ違うから悲劇も起こる訳で。人生取返しがつかない。
その一部始終を見てるのだ、読者は。精神的に来る。
読み終わってもまだ「実はこういう事だったんじゃないか、こうなっちゃうんじゃないか」と考えてしまう。
今なら”考察班”がめっちゃ頑張っちゃいそう。
「家に着くまで」「穴二つ」は「やっぱりそうなるよね」と思ってから更にひっくり返される。
1993~1998年に書かれた作品で、この短編集の中でも、出た後の今までも時間は流れている。
パソコン通信って相当昔だ、でも不思議と古く思わない。パソ通知らんけど、そういうシステム上の物語なんだなー、という感じで読める。
で、その当時このネカマ話を書かれたというのが凄い。
ツイッターマッチングアプリでも起こってそうな話だし、多分自分みたいにパソ通って聞いた事あるけど知らん、という人でも解るように書かれているのだ。

じわじわじりじりしたのが精神的に来る、でも他のも読みたくてじりじりうずうず。