社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

描く人、安彦良和 at 兵庫県立美術館

観て来た。





今回は家人と。
チケットが当たると思ってなかった。びつくり。
前情報で相当見応えがあると聞いていたが、凄かった。
幼少の頃に使われていた机があるかと思えば理科や社会の「重点整理帳」というノート等。
イラストを使って解り易く纏められている、あれを書籍化してお子様向けの参考書に出来ないだろうか。
宇宙戦艦ヤマト」やガンダムシリーズ、その他色々沢山のアニメの絵コンテ、初期案・キャラデザ、ポスターと原画、企画書等等。
絵コンテや企画書だけでストーリーが浮かぶし、声や音が聴こえてきそうである。
企画書全部じっくり読んでると多分一日では周り切れないと思って泣く泣く諦める。
キャラデザは本当に細かい、正面だけじゃなく色んな方向から、色んな表情で。
展示には無い所で其のキャラがどんな性格なのかも綿密に詰められているのだろう。
そういえば昔は「アニメ化決定!」と言うとそういうキャラ案的な絵が掲載されてたのをよく見かけたような。
どの作品も「対比表」があるのが成程、と思った。
其処がはっきりしないと、作画していくうちにおかしくなっちゃうのだろう。
しかし大変だよなぁ、人物も背景もきちんと描けなきゃいかんのだろうし・・・と思ったが流石に宇宙要塞等は別の方が描かれたようだった。
でも安彦氏の設定がきちんと作られていなかったら、担当者も絵に起こしていく事が出来ないのかも。
展示されている絵コンテ等の資料部分がアニメ化した映像も流れていた。
さっき迄情報として目にしていた作品が実際に動いてるのって感動する。
ただ絵が動いているだけなのに、何であんなに心掴まれちゃうんだろう。凄いな。
ちっちゃい子がめっちゃ観てたのが印象的。
観勧めていくと、監督・ディレクターとして原画担当への指示・注意等の資料もあった。
ほんっっっとに細かい。
其の位細かく意識して作画していかないと辻褄が合わなくなったり、情感が込められなくなったりしてしまうのだろう。
今、どの期にも沢山のアニメが作られているが、此処まで細かく根を詰めて作られているんだろうか、作りたくても難しいのかもしんない。
其れにしてもヤマトとガンダム部分で観てる人の多さよ。
複数回観るような人だったら、「もう一度此処をじっくり観たい」みたいな感じで居てはるんかもしれん。
実の所ガンダムはあんまり知らない、そして家人が色々話したいようだったんで「へー此の人シャアだったの」とか色々教えて貰い乍ら観てた。
ちゃんとガンダム観ないといけないな。教養として。
其の他の作品も面白そうである、観たい。
色んなタイプの人達が登場している、既に多様性が織り込まれていたんだな、と思った。

後半は漫画の原稿や表紙等の原画などなど。
実はこっちを観てみたかったのだった。
アフタヌーン」で連載してはってんね。
絵コンテがするりと漫画の形になったように見えた。するする動く。
書き文字も感情や情景が伝わるように書かれている。
「天の血脈」読んでみたくなった。
最後らへんには「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の設定や原画等。
長く活動してはるけど、絵柄が殆どブレないの凄い。
流石に画材が違うから全く同じではないけど、描かれている姿が。
最初のガンダムとTHE ORIGINのガンダムの間にそんなに年月経ってなさそうに見える。
漫画もそうだった。
アニメに関わられた時点で既にほぼ完全に確立されていて、其れが色褪せる事無く維持されていたのだろう。
”維持”という名のアップデートはあったろうと思うが。

安彦氏の指人形可愛かったな。


物販にあった。
他にも「安彦良和の色調」という塗料も。
欲しかったけど、じゃあ買ってどうすんだい?という。
観乍ら「ダーティペア」「クラッシャージョウ」読みたくなってたんで物販で買いたかった。
家人居なかったら多分買ってた。そして積んでた。

コレクション展は「スーラージュと森田子龍」の時と同じ。
sociologicls.hatenadiary.jp
でも「あの作品、影も作品に込みだったのか」等という新しい発見があった。
ええ作品はなんぼ観てもいいですからね。

道中にある此の像、見方によっては鳥に見える。

どうでもいいニュース:
中学生の頃、オカンのパート先の同僚のお子さんが読書家で「本読むの好きなら」と大量に本を貸して頂いた事があった。
大半がコバルト文庫だったが何故か「ダーティペア」が混じっていた。
何でそうなったのかはよく解らないし量が多かったんで全部は読めないままお返ししたのだが、「ダーティペア」は読んでおけばよかったと後悔。