社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続

あんバターを見かけるとつい買ってしまうし美味しくいただくが、苦しい・・・。
あんもバターも控えめのあんバターはないものだろうか。

「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」(宮部みゆき/角川文庫)読んだ。

シリーズ6作目だが、完全に百物語の聞き手が小旦那・富次郎に引き継がれて1作目。
能動的になったような気がする。
聞き手が食いついて大丈夫か・・・と一瞬思ったが、逆に話しやすくなった人もあるのかもしれない。
ちょっとネタバレあるよ。





「同行二人」の飛脚業界の話が面白かった。
物語も悲しくて、でもほっとする。

からの「黒武御神火御殿」がヘヴィ。。。
屋敷というのは異世界なのか。
此のシリーズ自体、そういう“異世界へ拡がる”お屋敷がよく登場する気がする。
耶蘇教が登場するだけに「七つの大罪」かと思ったが囚われるのは6人。
「怪魚の眼にそっくり」とは「世の中がすっかり自分の手のひらのなかに入っているような気がする」人の眼という事か。
某殿はがっつり信仰していた、其れなのに上手くいかなくて流罪になった。
神の試練にしては重過ぎる、けど”民の為”と言いつつ結局自分の思うが儘にならなかったのを他へ当たってしまう程度に弱くて”入り込まれ”やすかった・・・んだとしたら神だってどうしようもない。
そんな所に巻き込まれてもなぁ。。。災難である。
何かしら罪を犯している人とはいえ、物語に語られない部分があるとはいえ、ピンキリだし。

ああそうか、「あやかし草紙」に描くのは絵とは限らない、限らなくていいんだ。

解説が小松先生だ!
「著者は、怪異を女性の『情念』と絡めて物語ることを好む。」(p.612)等等、怪異のスペシャリストから見た三島屋変調百物語シリーズの解説が面白い。
過剰で、暴走しがちな”人の情”が此れからも黒白の間にやってくる、どう聞いて描いていくんだろうな。
そしてどうなる富次郎。

どうでもいいニュース:
お昼休みに本・雑誌読んでるとぐわーっと眠気に襲われるんだが、此の本読んでる時は全く眠くならなかった。
宮部さん凄い。