社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

オブジェクタム/如何様

毎日暑過ぎて困るけど、唯一良かったのは洗濯物がよく乾く事。
かんかん照りとエアコン・除湿機のお陰で其の日のうちに畳めるのは有難い。

「オブジェクタム/如何様」(高山羽根子朝日文庫)読んだ。

「オブジェクタム」の単行本の表紙ちょっと可愛い・・・のは気のせいか。SFと純文学の境目って何だろうな。
ワンダーがあればSF、自我と痛みが肥大してたら純文学?
・・・怒られるで。
(恐らく過去に読んだ”純文学”と呼ばれる作品がそういうの多かったからだろう)
どちらにしても今、此の世界と地続きな気がした「オブジェクタム」。
インフルエンザではあるけれどこまめに手を消毒しているのが今いまのようで、何処かのススキ野原でじいちゃんが壁新聞擦ってはる気がして。
「太陽の側の島」とは真平さんのいる南の島の事ね・・・と思ったら、そっちかー!
其れも実は曖昧な気がする、あくまでも「チヅさんが気がついた」事だから。
もしかしたらもっとややこしい事になっているのかもしれない。
「L.H.O.O.Q.」は・・・ウムウ。
そんなんやから奥さんも犬も居なくなるねん(怒)!と思ってしまったが、よく考えたら奥さん亡くなってはるんよね。
「如何様」はちょっとよくわからない、ただ偽物は実は本物以上なのかもしれないし、偽物だけど本物なんてものもあるかもしれない、本物になるのかもしれないよ人によっては。
タエさんの「わたくしには嬉しかったんです」に何故かほっとした。
「ラピード・レチェ」は具体的に”何”と書いていないし”何処”とも書いていないのに、ふんわり伝わってくるのが面白い。
「ホテル・マニラの熱と髪」はエッセイなんだろうけど、フィクションなのだとしてもあんまり驚かない。

どの作品も、物語はぬるぬると進み何処に落ち着くのかはっきりしない。
ちょっとしんどい。。。
でも最後迄読み切った瞬間にすーっと落ち着くのが不思議。
だから”何かをやりきった”ような爽快感がある。