社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

てのひらの宇宙 星雲賞短編SF傑作選

実はゆべしスの配信を観ていない。
ゆべしスは言葉が強い、其れがちょっと今の自分にはしんどいかなぁ・・・と。

「てのひらの宇宙 星雲賞短編SF傑作選」(大森望・編/創元SF文庫)読んだ。

ゆーて「言葉使い師」「くるぐる使い」目当てに読んでんじゃんよ。
此の2作を読みたかった。
「そばかすのフィギュア」「くるぐる使い」が続くのは胸キュンゾーンなのかい・・・からの「ダイエットの方程式」「インデペンデンス・デイ・イン・オオサカ(愛はなくとも資本主義)」の落差凄いわ。笑う。

・言葉使い師/神林長平
会話も娯楽もテレパシーを使う、うっかり言葉を口に出してはいけない社会の話、或いは言葉・物語論でもある。
テレパシーや感応スプールでまるっと”伝える”事は出来る、だが言葉によってまるっと”伝わ”りきらない事による面白さ、スリルはもあるんだろう。
そういう話なのか?
というのも、”言葉”で読んで感じたからそう考えたのかも。
言葉による「物理的な侵襲」で「グラン・ヴァカンス」思い出した。
あんな事になるなら恐ろしい。
此の物語の社会では実際に危機が発生してたんだろうな。
・・・そして最後に読んでる自分も言葉使い師に操られてしまう、という。二人称なのは其の仕掛けだったのか。
・火星鉄道一九/谷甲州
基地・オリンピア線を爆撃から守る為に戦う男達の話。
男のロマン、というやつか。かっこいいな。
「一度でいいから、軌道上から自分のこの眼でながめたいものだ。あの山を」ってめっちゃフラグやん・・・と思ったが、見事果たす所も、其れを支える人達も。かっこいいな。
・くるぐる使い/大槻ケンヂ
オーケンはホラーだと思っていた。
SFだったんだな。読まぬままとは、惜しい事をした。
・・・グロテスクではあるな。
グロテスクで美しい。

どうでもいいニュース:
SF作家でも現実のトンチキ信じちゃうのか・・・オリジナリティ溢れる陰謀論ぶち上げてくれる方がいっそ清清しい。
まーDHMOのアレに今更釣られた上にけったいな要素足しちゃう人が居るなんて、作家・アーティストでも思いつくまいよ。