社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

11 eleven

時たま書いてる「不本意ながら幻冬舎。」は津原さんへの仕打ちに腹が立った、ムカついたからである。
幻冬舎だから買わない」は出来ませんからね、作家を人質に取られてるような感じで。
とはいえ、津原さんの作品は好きなものはむっちゃ好きで、そうではないものは其れなりだった。
其の差が可成りある。
そういうのも込みで読んで楽しみたかったのに、過去作追うしかないのか・・・。
色んなアンソロジーで読んだ感じでは幽明志怪シリーズ収録作が良かったんでいずれ読まねばと思っていたが、もう紙では手に入らないっぽいね・・・。

「11 eleven」(津原泰水河出文庫)読んだ。

11の短編と著者自作解題。
幻想つよつよ、だけどちょいとミステリーっぽいしごりごりSFもある、明確に時代は次元を越えてくんじゃないけど気づいたら変なところに迷い込んでしまった、何回どの作品を読んでも毎回違う所に迷い込んでしまう。
帰れない。
以前気になっていた「テルミン嬢」が読めてよかった。
マトリョミンからこうなるの!手を翳さなくても鳴るんだな・・・手の代わりがアレなんだよ。
もしかして何処かにVootarから生まれた物語もあったりするんだろうか。
「五色の舟」は別格として、「琥珀みがき」「キリノ」が良かった。
キリノ」は此れだけ読むとトンチキ感あるけど、「小説新潮 別冊 桐野夏生スペシャル」に収録されていたと考えると、津原さんからは桐野さんがこんな風に感じられていたのかな。
「微笑面・改」の中の

人生そのものが、我々が認識している宇宙全体が、脳の錯覚に過ぎない。(p.112)

としたら、今読んでいる物語も脳の錯覚なんだろうか。
なんだろうな。
そういう短編集なのだろう。

「五色の舟」は漫画版も良い。

どうでもいいニュース:
ベースマガジンのエッセイも好きでした。
神保さんやひさ子さんのエッセイみたいな感じで一冊にならないだろうか。